篠田真由美/黄昏に佇む君は
建築探偵シリーズ外伝。
京介の恩師である神代教授の若き日の思い出を綴った作品。
面白かった。
年代があちこち飛ぶし人間関係が複雑でちょっとわかりにくいけど、読み始めたら先が気になって一気読みだった。
まだ自分の先が見えず、迷いの中にいる大学生の神代宗くんが魅力的。
その若き宗が短い時間を一緒に過ごし、思いもかけない事件に巻き込まれるきっかけを作り、その正体が後の宗の生き方を決める動機ともなった小森文也と名乗る少年の、孤独な美しさが印象に残った。
本作では宗が神代家に引き取られた真相も明らかにされる。
メインのストーリーの中に時々挿入される、神代家での宗と義父とのやりとりがいい。
そしてラストの宗の養父からの手紙がとても印象的。
最後のページまで泣かなかったのに、本を閉じた途端涙が出た。
決してハッピーエンドではないけれど、心地いい読後感の残る作品だった。
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