麻見和史/ヴェサリウスの柩
東都大学医学部で人体解剖実習中に遺体から不自然なシリコンチューブが発見される。
その中には担当教授・園部あての脅迫文が書かれたメモが入っていた。
その後、園部研究室の周辺で不気味な事件が立て続けに発生する。
長編ミステリー。
人体に仕掛けられた時限装置であるメモを皮切りに事件が起きる、という設定が斬新。
その後明らかにされて行くそれを発動するまでの準備も余りにも迂遠で、だからこそ犯人の執念と憎しみの強さを感じた。
ただ、全体的に人の出入りが多すぎて落ち着かない印象。
怪しい人物を複数配置する必要があったのだろうとは思うけど、もう少し人物を絞り込んで欲しかった。
主人公は研究室の新人助手・千紗都。
学生時代から園部の指導を受けて彼に尊敬以上の気持ちを持っているという設定なんだけど、そのあたりとか過去の背景をもう少し丁寧に描いて欲しかったな。
あと、事務員の梶井のスタンスが曖昧だったのも気になった。
途中、千紗都は事件を調べる過程で犯人に殺されかけるんだけど、それが「私だったらあんなことされたら再起不能」という方法。
読んでいて気分が悪くなりそうだった。
あんなことされてもまだ調査を続けようとする千紗都は凄いな。
てか、さっさと警察呼ばないと。
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