朱川湊人/鏡の偽乙女 薄紅雪花文様
画家になることを反対され家を飛び出した功次郎は、画家志望の雪花と名乗る青年と出会う。
その後、雪華と親しく付き合うようになった功次郎の身の回りでは不思議な現象が次々と起き始める。
連作短編集。
雪花の存在感や「怪異」の知識、それへの対処法が斬新で面白かった。
ただ一つずつ別々の話かと思ったら5つのうち3つが「みれいじゃ」(現世に未練や執着を残したまま死んだ魂が別の生き物の魂を借りて蘇った存在)という妖の話だったのが残念。
3編とも違った角度からのアプローチだったのでそれなりに面白かったけど、もっと他の形の妖怪(?)も見てみたかったなあ。
それに一番の謎である雪花は何者なのかについて触れられてなかったのも不満。
続きがあるってことなのかな。
主人公の功次郎、読み始めたときは何となく線が細くて背も高くない華奢な感じの青年をイメージしていたのに、読んでいくうちに「講道館で身につけた柔道が得意」な「偉丈夫」だということが判明。
でもどうしても最初のイメージが払拭できず、何となく違和感を持ったまま終わってしまった。
こういうタイプの人って画家ではなく、どちらかというと文学に行きそうな気がするな~。
(いや、勝手な思い込みですけどね(^.^;)
<収録作品>
墓場の傘 / 鏡の偽乙女 / 畸談みれいじゃ / 壺中の稲妻 / 夜の夢こそまこと
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