森福都/ご近所美術館
会社近くのコンビニの2階にある小さな美術館の常連である海老野は、新しく館長になった菫子(とうこ)に一目惚れ。
イケメン、金持ちの強力なライバルの出現にいいところを見せようと美術館に持ち込まれる厄介ごとを菫子の妹でオタクの同人誌マンガ家であるあかねと共に解決して行く。
短編連作ミステリー。
森福さんの作品で中国以外が舞台のものを読むのはこれが初めてだけど、テンポがよくて読みやすく面白かった。
登場人物も多彩。
特に外見も性格も全く違う菫子とあかね姉妹の設定がいい。
探偵役の海老野は決してヒーロータイプではないけどそこがこの作品には合っていたと思う。
ラストも「多分そうなるんだろうなあ」と予想していたところに落ち着いたので意外性はなかったけど、そこまでの過程が丁寧だったので「よかったね(^^)」と思えた。
ただ、基本は日常の謎系なのに、殺人事件が2つ入もっていたのが気になった。
特に1つ目の事件は被害者が直接美術館とは関係ないし過去に起きた事件だとはいえ、事件の質や状況がこの作品の雰囲気には合わなかったように思う。
解決しても後味が悪い事件だった。
それにしても、小さいけれど静かで人もまばらで入館料も安くて(月間フリーパスが3000円)ラウンジで(セルフサービスだけど)無料でコーヒー飲み放題、仕事しててもマンガ読んでてもOKなんて美術館が近くにあったら私も毎日通うな~(笑)
羨ましい。
<収録作品>
ペンシル / ホワイトボード / ペイパー / マーカー / ブックエンド / パレット / スケール
収録作の中では「ブックエンド」が一番好き。
全体的な雰囲気も登場人物も結末も一番まとまっていて面白かった。
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