東野圭吾/虚像の道化師 ガリレオ7
ガリレオシリーズ最新作。
久々の短篇集。
「幻惑す(まどわす)」「心聴る(きこえる)」「偽装う(よそおう)」「演技る(えんじる)」の4編を収録。
どれも面白かった。
相変わらずの読みやすさ、解りやすさ、鮮やかさで「お見事」としか言えない出来。
各編70ページくらいの作品なんだけど、事件や登場人物の説明から湯川、草薙の動き、最後の謎解きに至るまですごく丁寧に無駄なく書いてあって決して短く感じさせないところが凄い。
どれもよかったけど特に「演技る」の人物設定が素晴らしかった。
さすがです。
でも、作品の中での湯川像はドラマ化以降少し変わったような気がするな。
1作目、2作で目は研究室に篭って黙々と自分のやりたいことをやるのが一番で事件の捜査協力なんて時間のムダだと思ってたような部分があったけど、この作品では自分から事件に首を突っ込んでいくような部分もあったり。
特に「偽装う」では他の登場人物に対して芝居を打つ場面があってビックリした。
湯川先生、いつの間にそんなに世渡り上手になったんですかw
この作品はもともと短編から始まったからか、このくらいのページ数のほうが物語の本質から外れずにスパッと解決出来ている部分が私は好きだな。
各編のタイトルが以前と同じパターンになっているのもよかった。
10月には「ガリレオ8」が出ちゃうとか。
働き者だなあ(^.^;
『人の意見に耳を傾け、自分のやり方や考え方が正しいのかどうかを常にチェックし続けるのは、肉体的にも精神的にも負担が大きい。それに比べて、他人の意見には耳を貸さず、自分の考えだけに固執しているのは楽だ。そして楽なことを求めるのは怠け者だ。違いますか。』(「心聴る」p119より)
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