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2012/09/23

柳広司/パラダイス・ロスト

パラダイス・ロスト

シリーズ3作目。

今回も面白かった!作品ごとに構成も登場の仕方も全く違うので、「今度は何が起こってどんなふうに騙されるのか」とワクワクしながら読んだ。

最初の「誤算」は割とオーソドックスな展開。
任務中に記憶喪失になった状態でどう動くのかがポイント。

次の「失楽園」は登場シーンも僅かで名前さえも出てこないまま物語を操っていくという構成。
ちょっと上手く行きすぎという気がしないでもないけど、畳み掛けるような文章で一気に読んだ。

「追跡」は結城中佐自身の過去に迫る話。
これが一番面白かったな。
緻密に計算された構成と裏の読み合い、何度もひっくり返る展開に翻弄されるのが楽しかった。

前後編に別れた「暗号名 ケルベロス」は何といってもラストが秀逸。
ああいう選択をするとは思わなかったので驚いた。
彼がその後どう生きたのかが知りたい。

それにしてもこんな優秀なスパイ組織が日本に本当にあったら、いろんなことが違っていただろうな…。

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