道尾秀介/カラスの親指
借金により人生を狂わされた末に詐欺師として生きる武沢と入川。
ある日、彼らの前に1人の少女が現れる。
彼女は武沢が悪徳金融業者で働かされていた際に追い込みをかけ自殺させてしまった女の娘だった。
それを隠したまま3人の同居生活が始まり…という話。
面白かった。
好みとしてはもう少し明るい話のほうが好き。
全体的に微妙に暗い雰囲気が漂っているので怖い話になったらヤだな~とビクビクしながら読んでいた。
ただ、今から考えるとそれもまた著者のトリックだったのね。
読者こそがこの作品に仕掛られた詐欺のカモだったということか。
ラスト、今まで「そう」見えていたものが、別のものに変わっていくシーンは痛快だった。
こんなに最初の、こんなに小さなところにも伏線が引かれていたのね!と驚きつつ、明るさと少しの寂しさが残る結末に満足。
途中で出てくる「お父さん指、お母さん指…赤ちゃん指」のエピソード、良かったな~。
あれは著者が考えたのかな。
素敵な話だった。
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