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2012/10/26

七河 迦南/アルバトロスは羽ばたかない

アルバトロスは羽ばたかない

海沿いの小さな町にある児童養護施設「七海学園」を舞台にしたミステリー。

冒頭に提示される大きな謎をその後に展開される小さな4つの謎をヒントにして解いていく構成。
緻密な展開、そして巧みな伏線とミスリードで最後は「なるほど、そういうことだったのか」という驚きが待っている。

ただ、(物語のテーマのせいもあるけど)あまりにも緻密すぎて閉塞感が強く、途中で息苦しくなる部分もあった。

それと、登場人物が多すぎ。
書き分けは丁寧で巧みだと思うけど、やっぱりこの人数を覚えるのは大変。
もちろん重要な役割を持っているのはその中の一部だけど、登場した段階ではそうかどうかは判らないので物語との関わりや役割を考えながら覚えていくのが大変だった。

それから最後はちょっと独白に頼りすぎでは。

この作品では児童養護施設について丁寧に書き込まれている。
私自身はこういった施設について知識がないにも関わらず勝手な想像であまりいいイメージを持っていなかったけれど、ここに登場する施設では非常にきめ細やかな温かい対応がされていてちょっと意外に思った。
多くの子どもたちを預かり精神的にも肉体的にも健康であることを保持していくことを職業にするのは大変なことだろうと思う。
実の親や身近な大人による子どもへの虐待が多く報道される昨今、こういった施設の重要性は高まってくると思う。
「自分に関係ないから」と無視するのではなく、子どもを育てるための一つの方法として社会全体できちんと評価し、見守っていかなくてはいけないと感じた。

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