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2012/10/10

井川香四郎/男ッ晴れ 樽屋三四郎言上帳

男ッ晴れ―樽屋三四郎言上帳 (文春文庫)

父親の跡をついで江戸に3人しかいない「町年寄」の役に就いた三四郎が、悪徳商人や権力に立ち向かい江戸の庶民の幸せを守る話。
連作時代小説。

町年寄とは家康に仕えた3人の武士が家康の江戸入りの際に町を束ねる役目を与えられ町人になったのを由来とし、代々受け継がれる役職。
町人ながら将軍に謁見できて、帯刀も許されている「特権町人」である。
その町年寄の名跡を父親の急死によってついだばかりの23歳の若者が主人公。
設定は面白いし短編だから読みやすいんだけど、イマイチ物語に入って行けなかった。

主人公の三四郎はともかく、それ以外の登場人物の役割や関係が今ひとつ明確じゃない感じ。
特に町年寄としての樽屋(三四郎の家)に代々伝わる「百眼」はもっと効果的な使い方があると思うんだけどな。

個人的な好みとしては、主人公がいくら無鉄砲で型破りなことをしても、表面的には渋い顔をしてお小言を言うけど心の奥では何があってもきちんと信頼して味方になってくれる存在が欲しいところ。
樽屋の番頭の吉兵衛がそういう存在だったらもっと安心して読めたんだけど。

あと、パッと見は明るそうな話なのに、読んでいくと何となく全体が暗い雰囲気なのが気になった。
起きる事件や登場人物の関わり方が剣呑すぎるんだよね。
もうちょっと軽めで最後は笑って終われるような話がよかったな。

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