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2012/12/18

朝井リョウ/星やどりの声

星やどりの声

仕事熱心で優しかった父親を病気で亡くした早坂家の物語。

男3人女3人の6人兄弟がそれぞれの章で主人公をつとめ、現在の自分の環境と家族、そして父との思い出を語っていく構成。
最初ちょっと入って行きにくかったけど、2章目あたりからはスムーズに読めた。

「三男 真歩」のパートが好きだったなあ。
大人っぽさと子供っぽさが同居した真歩が必死で大好きだった父親の死に耐えている様子に胸を打たれた。
他の兄弟達もそれぞれ個性的でいい。

みんないい子すぎるような気がしないでもないし、最後の展開はちょっと「?」な部分もあったけど、きれいな物語で読後感もよかった。

ただ、あの家族がこれからどうやって生計を立てていくのかが気になってならない…。
お母さん料理が得意だから仕事はあるのかなという気がしないでもないけど、でも体調が思わしくないみたいだからねえ。
この観点で考えてしまうと、この家族はなんでこんなに暢気なんだろう…と不安になってしまう。
だいたい長男の光彦が暢気過ぎる。
長男だから就職のことを考えても大学に行くのはともかく、暢気にテニスサークルに参加してる場合じゃないだろ。
勉強頑張って奨学金もらうとか、バイトして学費稼ぐとかしろよ、と言いたくなる。
あと、お客があまり入っていない(=暇な)お店なのに何故お母さんは疲れて倒れちゃったんだろ。
いわゆる「心労」ってことかな?
大体そんなに儲かってないんだったら好む好まざるに関わらず生活レベルが落ちるから、いくら子どもだって何となく気付きそうな気がするんだけどなあ。
お店の地代も払えないってことはお父さんの保険金だってもう残ってないということだろうし、あったとしても小学生の末っ子が大人になるまで充分の金額とは思えない。
双子はもうすぐ高校卒業だからいいとしても、高校1年の次男はこのあとちゃんと高校・大学と行けるんだろうか。
いくら長男がわりとお給料がいい会社に就職できたと言っても実家の生活費を仕送り出来るほどではないと思うしねえ。
この物語が終わったあとのほうが、あの家には様々な波風が待ち受けているのではないかと心配してしまうなあ(^.^;

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