小路幸也/Q.O.L.
葉山にある古いけれど瀟洒な一軒家で共同生活する龍哉、光平、くるみの3人。
それぞれの思いを抱えながらも穏やかで平和に流れていた3人の生活が龍也の父親の死によって動き始めるー。
話の構成はすごく好き。
テンポがよくて展開が速くて読みやすい。
主人公の3人も魅力的だった。
ただ、人物設定にはちょっと否定的。
とにかくくるみの背負った過去の設定が酷過ぎる。
誰かを殺したいほど憎む設定にする必要はあったのかもしれないけどそれにしてもあんな境遇を与えなくてもよかったのでは、と思う。
くるみに比べたら龍哉や光平の事情なんて何にもなかったようなものに思えてしまう。
しかもその、人として最低なことをした相手を読者の前に出す時は「いい人」みたいな設定にしちゃうのは狡いと思う。
もちろん、くるみに罪を犯させたいわけではないけど、でもだからといって「上手く行ってよかったね」で済ませられるような問題ではないでしょう。
物語の中でくらい悪いヤツはきちんとそれに見合った制裁を受けるべき。
そうしないのであれば、もっと穏当な設定をくるみに与えてほしかった。
その部分がどうにも納得出来なかった。
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