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2013/01/04

門井慶喜/若桜鉄道うぐいす駅

若桜鉄道うぐいす駅

鳥取の山奥を走る全長19.2キロのローカル線・若桜(わかさ)鉄道。
その始点 郡家駅から数えて3つめのうぐいす駅。
有名建築家が設計したというその小さな無人駅の駅舎存亡を巡る物語。

主人公の大学院生・涼太の語り口調で綴られる物語は軽快で、展開も早く読みやすかった。

ただ、涼太の恋人・悠花が心変わりをするあたりの描写はなんだかなーって感じ。
それまではあくまでも村の外側の人間の立場で騒動に立ち会っていた涼太を当事者として選挙戦に引っ張りだすための最後の一押しにしても設定がベタすぎるんじゃないかなあ。
いくらもう別れようと思ってるとしても「身内が危篤状態だからすぐに会いたい」って言ってる相手に対して「3日後に会いましょう」って返事する神経が理解できない。
(それを守ってきっちり3日待ってる涼太もよく判らないけど)
更にその前のベッドシーンのくだりも必要でしたか?と思う。
(前作の『この世にひとつの本』にもこんなシーンがあった。何故こういうシーン入れたがるかな?)

涼太が自分のことを「私」っていうのも違和感があった。
他人と話してるときならいいけど、身内にまで「私」っていうキャラじゃないような気がする。

あと、駅舎の本当の設計者が誰かってところも「そんな理由付けでいいんですか?」という感じがなきにしもあらず。
いくら過去の慣習だったとはいえ、そんな人が書いた図面に建築家が自分のサイン入れたりするかな?
もし本当にそんなことがまかり通るとしたら建築史の研究ってかなり難しいのでは…。
でも門井さんって「ぼくらの近代建築デラックス! 」(万城目学さんと共著)なんて本を出しているくらいで建築関係にも明るいようだからホントなのかな。
だとしたら、現実にも「実は…」な建物ってたくさんあるのかも?

とけっこう引っかかるところもあったものの、結末としては綺麗に収まるところに収まったという感じで読後感は悪くなかった。
説得力はイマイチだけど、お話としては悪くなかったかなと思う。

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