映画:大奥~永遠~右衛門佐・綱吉篇
よしながふみさん原作漫画の映画化作品。
去年放映されたTVドラマがすごくよかったので期待していたんだけど、残念ながらいまいちピンと来なかった。
主役の2人はともかく、他のキャストがことごとくイメージからずれていてその差が埋められないうちに終わってしまった感じ。
特に語り手の秋本はもっと柔らかい感じの人がよかったな。
飄々としてるけど有能で鬱屈しているところも抱えていて…という部分があまり出ていなかったように思う。
それに最初は秋本が絹江に(実際には送れない)手紙を書いて、そのなかで大奥を語るという設定だったのにそれが途中からどこかに行ってしまったのも中途半端だった。
しかも映画の中では秋本と絹江についての説明が一切ないのが不親切。
秋本と絹江が実際に会うエピソードを入れなかったのはメインのストーリーとは関係ないから仕方ないと思うけど、セリフでの説明もないのでは原作読んでない人には「絹江って誰?」ということになってしまうと思うんだけど。
他にも原作読んでて当たり前、ドラマ見てて当たり前、といったシーンがときどきあるのが気になった。
綱吉に侍る男たちも今いちパッとしなかった。
(公式サイトの写真を見るとそうでもないんだけどな)
まあ、だからこその右衛門佐なのかもしれないけど。
堺さんはよかったけど、ドラマの有功のが印象的だったなあ。
画面に出ているシーンは多かったけど、あまり大奥総取締として活躍してるって感じがしなかった。
もうちょっと有功との違いが前面に出てもよかったのでは。
死ぬシーンもあっけないしねえ。
(原作もそうだから仕方ないんだろうけど)
原作にあった年老いた有功が桂昌院を訪ねてくるシーンが見てみたかった。
あ、でも、甘いモノを凄い勢いで食べてるシーンはよかったなあ(笑)
あのシーンが一番有功との違いが出ていた。
それにしてもあんなに食べながらセリフ喋るの難しいだろうな。
最終的にどのくらい食べたのかが気になるw
菅野美穂は相変わらず泣く演技が抜群に上手かった。
全体的に入り込めずにボーッと見てたんだけど、菅ちゃんが泣くシーンだけはもらい泣きしてしまった。
特に松姫が死んだあと、吉保にすがって泣くシーンがとてもよかった。
一番不満なのは原作のラストの綱吉が死ぬ(殺される)シーンをやってくれなかったこと。
確かに危険なシーンだけど…いろんな意味を持ったすごい結末だと思うんだけどな。
それにあそこがないと御台所もいいとこナシで、ただのやきもち焼きのへなちょこ公家さんになっちゃうんだけど。
映画版だったら前作のほうがコンパクトにまとまっていてよかったな。
今回のはあの時間にまとめるにはエピソードが多すぎたんじゃないかと思う。
衣装とかセットとか華やかで豪華でお金はかかってるんだろうなあと思ったけど、今ひとつな印象だけが残った。
残念。
■映画:大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]公式サイト
※音が出ますので御注意ください。
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