エドワード・スミス/紳堂助教授の帝都怪異考
大正時代を舞台に頭脳明晰、眉目秀麗、冷戦沈着、傲岸不遜な若き大学助教授が不思議な事件を解決する連作短編集。
てっきりミステリーかと思っていたのに、ファンタジーだった。
最初の作品で事件が起こった現場に刑事がいて、そこに主人公の大学助教授がやってきて…という展開だったので「『ガリレオ』方式なのね」と思って読んでいたら、「犯人は煙の魔神です」。
え?と思ったけど、それなりに聞き込みもして、事件に至るまでの謎解きもあったりしたので「まあ、犯人はともかく謎解きなのね」と思って読んでいたら、だんだんその謎解きもなくなってきて、最後には紳堂助教授と彼の助手であるアキヲ少年(実は男装した少女)の恋物語風になってきたので驚いた。
物語そのものよりも人物設定の描写が多すぎ。
しかも私にとって致命的だったのは、それだけ丁寧に描かれた登場人物にさっぱり思い入れが持てなかったこと(^^;
読みにくくはなかったけど、もうちょっと物語もちゃんと書いて欲しかったなあ。
これなら最初から紳堂とアキヲの恋愛物でよかったんじゃ…(そうしたら私も買わずに済んだし←ヲイ)
ちなみに著者のエドワード・スミスはペンネームで、本人は「生粋の日本人」とのこと。
<収録作品>
香坂邸青年焼殺事件 / 小石川怪画 / 秘薬の効き目 / 沙世
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