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2013/02/16

小田雅久仁/本にだって雄と雌があります

本にだって雄と雌があります

本にも雄と雌があって、その相性がいいのを隣り合わせに置いておくと夜中にこっそり交じり合い本来この世には存在しない"幻書"が生まれる。
放っておくと自力で飛んで行ってしまうその"幻書"を収集する大学教授・與次郎の生涯を、孫の博がさらにその息子の恵太郎に語り継ぐために書いた本、という設定の物語。
(で合ってるかな?(^.^;)

最初は何故か書評本だと思ってて(←何故だ>自分w)読み始めたら小説だったのでビックリ。
で、ナンセンス・ホームコメディなのかなと読み進めていたら、だんだん壮大なファンタジーになって行ってまたビックリ。
だからというわけでもないけど読むのに1週間かかった。

今まで読んだことがなかった感じの本だったなあ。
独特な世界観だったのでそこに入って行くまでにちょっと時間が掛かったけど、とても面白く最後は感動した。
特に後半、與次郎が戦争で送られたボルネオ島で経験した夢とも現ともつかない不思議な体験のあたりからは一気に物語に引きこまれた。
(逆に言うとそこまでがかなり長かったわけでもある)

「本」への愛情がギューッと詰まった一冊。
私もラディナヘラ幻想図書館に行ってみたいな…。

『たった一行の文章を書くのでも、たった一つの言葉を選ぶのでも、それを裏から支えるなんらかの精神がなければならない。いっさいの言葉はなんらかの形で書き記す者の精神に根を張っていなければならない。それを積み重ねて、ようやく一冊の本ができあがるのだ。』(p304)

『本とはそもそも寡黙なものだ。誰かが手にとって開かないかぎり、そして読み始めないかぎり、ぐっと息をひそめ、ひと言も語ろうとはしない。だからこそ本は老いてゆこうとするのだし、だからこそまだ息絶えずにいるのだとも言える。』(p306)


ところで、ネットで他の人がこの本を読んだ感想を見てみると、どうやら作風が森見登美彦さんに似ているらしい。
私にとって森見さんは「ちょっと苦手」な作家さん。
何冊か挑戦しているものの、なかなかおもしろさが理解できず途中で挫折を繰り返したので、最近では気にはなるものの手にとることはない…という感じ。
でも、この作品が森見さんの作風に似ているのであれば、「う~ん?」というところで止めずにもうちょっと頑張れば面白さにたどり着けるかも?
今度試してみよう。

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