堀川アサコ/魔所―イタコ千歳のあやかし事件帖〈2〉
シリーズ2作目。
基本的な設定や人間関係は変わらないけど、前作よりも物語全体の流れがスムーズで読みやすかった。
前作はいきなり幸代の話から入ったので千歳の立ち位置や役割がよく分からないままだったけど、今回は冒頭でその辺りをきちんと説明してから始まったからかな。
4編の中では亡くしてしまったものを求めるあまりに違う世界に足を踏み入れた人々を描く2話目の「これはこの世のことならず」が好き。
禍々しさと切なさがうまく表現されていて惹きこまれた。
3話目の「白い虫」は気持ち悪さがダントツ。
ただラストは"この後どうなるのか"と思ったところでわりとあっさり終わってしまうので、ホッとしたり残念だったりw
前作の時も思ったけど「昭和初期の青森」という雰囲気はあまりないなあ。
この頃の田舎ってもっと閉塞的で同じ地域なら情報も筒抜けみたいなイメージあるけど、ここではけっこうみんなサバサバしてる感じ。
単に私の偏見なのかな。
あと、このカバーデザインはどうなのかなあ。
私の場合、書評を見てから読もうと思ったのであまり気にしなかったけど本屋でまずカバーを見たらあまり興味が沸かない部類のデザインだな。
内容にも合ってるとは思えないし。
(本文の各章の扉に入ってるのは線画のせいもあってかまだマシだと思う)
同じイラスト表紙でも新潮文庫版の方がまだ雰囲気があって好きだな。
この作品(『魔所』)も文庫化されるときはもう少し購買意欲をそそるカバーにしてあげて欲しい。
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