山本幸久/展覧会いまだ準備中
小さな美術館に勤める新人学芸員の弾吉を主人公にしたお仕事小説。
山本さん初読み。
登場人物がみんな恐ろしく個性的かつ暑苦しくてビックリした(汗)
まあ、主人公の弾吉自体、大学の応援団出身で身長2m近いという設定。およそ「学芸員」のイメージではないのだけれど。
あまりの暑苦しさになかなか物語に入って行けず、ドアの隙間から覗き見してました、という印象。
でも、そのわりに読後感は悪くなかった。
それぞれの登場人物の過去と今とこれからが描かれている。
「いまだ準備中」なのは「人生」ってことなのかな。
たとえ年をとっても、人生の終わりが見えていたとしても何かを始める準備は続くのかも。
「~今は長い道のりのスタート地点に立ったばかりだ。成果を上げることができるかどうか怪しいし、評価されることもないかもしれない。でもそれを言ったら世の中の大半はそんなものだ。報われない努力を積み重ね続けたところで、だれも褒めてくれないどころか、ときには非難されてしまうことだってある。だけどやるんだよ。やらなくちゃ駄目なんだ」(p224)
物語の冒頭でサクラが展覧会の照明に関して『今の光の当て方だと、額縁の影ができてて、絵が見づらくないですかね』って意見を言うシーン、そういうのって美術館のスタッフ側がまず気づくとこじゃないの?
お客目線で指摘しないと駄目なの?
実際の美術館でも照明が邪魔で作品がきちんと見えないことがわりと多いので、もしそうなんだとしたら開催前にお客を入れて照明のチェックをしてもらって欲しいくらいだと思った。
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コメント
正直この本は、なんとなくこの作家さんの割にはあんまりだったな、
というのが感想なんですが、
懐かしい面々のその後を見れたので、よかったです。
投稿: 藍色 | 2013/11/01 16:25