坂木司リクエスト! 和菓子のアンソロジー
「本屋」「ペット」に続いて3冊目。
今回のお題は「和菓子」。
どの作品も優しく柔らかい結末で気持よく読めた。
好きだったのは牧野さん、近藤さん、柴田さん、小川さんの作品。
特に温暖化によって日本の南半分には人が住めなくなった時代を舞台にした小川さんの「時じくの実の宮古へ」。
まさかここでSFとは。
しかも設定はSFなのに、その中心に和菓子を据えて、和菓子についての知識を丁寧に書き込んでいるというギャップが楽しい。
また飄々としてるけどきちんと一本筋の通った父親の描き方がとても印象的だった。
それにしても同じ題材でもいろんなアプローチがあるんだなあ。
企画本、3冊とも楽しかった!
このあともぜひ続けて欲しいな。
いろんな作家さんのいろんな我が儘リクエストアンソロジーが読んでみたい。
あと、あとがきは3冊ともリクエストした側の3人の作家さんによるものだったけど、受けた側の作家さん自身の作品解説や依頼された時の感想とかも読んでみたいな。
<収録作品>
坂木司『空の春告鳥』 / 日明恩『トマどら』 / 牧野修『チチとクズの国』 / 近藤史恵『迷宮の松露』 / 柴田よしき『融雪』 / 木地雅映子『糖質な彼女』 / 小川一水『時じくの実の宮古へ』 / 恒川光太郎『古入道きたりて』 / 北村薫『しりとり』 / 畠中恵『甘き織姫』
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コメント
あら、牧野修が書いているのですね。
デビュー当時の名前が牧野ネコだったとは思えない活躍ぶりです(^^;
投稿: ムムリク | 2013/03/31 15:41
■ムムリクさん
私は牧野さん今回初読みでした。
借金を苦に自殺しようとした男の元に軽蔑していた父親の幽霊が現れて…という話。
ほのぼの系ではありませんが、ラストはなかなかジ~ンとくるいい話でしたよ。
日本SF大賞を獲った『傀儡后』は名前だけ聞いたことありました。
投稿: tako | 2013/03/31 16:43