近藤史恵リクエスト!ペットのアンソロジー
10人の作家による「ペット」をテーマにした短篇集。
このシリーズは「本屋さん」に続いて2冊目だけど、種類も、その関わり方も、物語の中での役割も今回のほうがバラエティが豊富だった。
好きだったのは大倉さん、我孫子さん、柄刀さん、汀さん、皆川さん、近藤さんの作品かな。
特にヤモリを題材にした皆川さんのは「心地いい気持ち悪さ」とでもいいたくなるような気配が満ちていて好きだな~。
ラストの気持ち悪さは絶品。
ただしこれがペット小説なのかどうかはちょっと微妙かもしれないけど。
同じ爬虫類関係で汀さんのも楽しかったし、巻末の近藤さんによるあとがきもよかった。
ただ、私自身ペットを飼うということに興味がないせいか、そんなに思い入れを持って読む感じではなかったかな。
確かに可愛いなと思うけど、どちらかというと動物が物語に入り込むことで生まれる多様性を楽しんだという感がある。
これが実際に動物大好きでペットも飼ってます、あるいは飼いたいですという人ならまた別の読み方になるんだろうな。
<収録作品>
森奈津子『ババアと駄犬と私』 / 大倉崇裕『最も賢い鳥』 / 大崎梢『灰色のエルミー』 / 我孫子武丸『里親面接』 / 柄刀一『ネコの時間』 / 汀こるもの『パッチワーク・ジャングル』 / 井上夢人『バステト』 / 太田忠司『子犬のワルツ』 / 皆川博子『希望』 / 近藤史恵『シャルロットの憂鬱』
人は田舎者に生まれるのではない。田舎者になるのだ。~たとえ都会生まれでも、見知らぬ他人に配慮できない者は「真性田舎者」とでも呼ぶべき存在だと、私は断言したい。反対に、田舎生まれの田舎育ちであっても、美しい行動規範を持つ者は、田舎者ではない。単なる「田舎に生まれた(育った)人」だ。(森奈津子「ババアと駄犬と私」p9より)
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