山本兼一/まりしてん誾千代姫(ぎんちよひめ)
筑前立花城の城督・戸次道雪の一人娘に生まれ七歳でその地位と財産をすべて譲り受けた誾千代姫の生涯を描く物語。
山本さんの作品なので読みやすかったし、面白くなかったわけではないんだけど今ひとつ入り込めず。
主人公がスーパーすぎる(^^;
美しく、賢く、心根優しく、慈悲深く、夫である立花統虎(のちの宗茂)とは仲睦まじく、さらに勇猛果敢で自ら薙刀や鉄砲を取り父や夫の留守には先頭に立って城を守る…とか。
感心はするけど、共感するって感じではなかった。
大人になってからはともかく、幼少期からそれだったので出来すぎな感じが鼻についてしまいどうも主人公に気持ちを近づけることができなかった。
素晴らしい人物としての記述よりむしろ時々出てくる嫉妬や後悔や恐れの感情のほうが好きだったな。
人物像としては興味深いのでもっと人間臭い部分を前面に出して欲しかった。
あと、途中で出てくるエピソードの意味がさっぱり分からないことが何度かあった。
読んでも「…で?」って感じ。
内容すべてに教訓的な意味付が必要だとは思わないけど、何でこのエピソードをここに書いたのかも理解出来ずにモヤモヤしたのであった。
ただ人物像としては非常に興味深い。
本当にこんな女性だったのならもっと有名になってもいいのでは。
現在大河ドラマで描かれている山本八重どころの騒ぎじゃないでしょw
本の表紙のイラストは何気なくワカマツカオリさん。
小さいイラストなので最初気づかなかったけど、よく見るといろんなシーンのりりしい誾千代が描かれていて素敵。
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