有川浩/三匹のおっさん ふたたび
シリーズ2作目。今回も連作短篇集。
おっさんたちが活躍する6つの物語とボーナス・トラック「好きだよと言えずに初恋は」を収録。
いや~、やっぱり読みやすい。
驚異的なリーダビリティのよさ。
物語の内容よりも何よりもまずそこに感動する。
いや話も面白かったんだけどね。
でも、爽快感は正直今ひとつな感じ。
悪いことした奴に正面切って「思い知らせる」という展開ではなく、被害を受けた側の影響がなくなればそれでヨシという感じの展開が多くて、物語の中の重雄同様にちょっとイライラすることが多かった。
今の困ったことに真面目に対応すると、勧善懲悪では話は終わらないってことかな。
一番よかったのは本屋さんの話かな。
三匹+祐希の活躍もきっちりしていたし、相手側にも気持ちがきちんと届いてラストも納得できた。
本屋さんの井脇さんがいい人で泣けた。
対して第六話はよく判らない。
話の展開は理解できるけどなんであのおじさんの言い分をあんなに延々書いたんだろう?
(会社にあんなオヤジがいたら絶対嫌われると思うw)
まあ、清一さんの奥さんの芳恵ちゃんが思いがけずマドンナだったことは分かったけどもw
祐希と早苗ちゃんの恋も順調に進展している様子で微笑ましい。
祐希の清濁併せ呑む度量の大きさや、他人に対するソツの無さはすごいなあ。
どうやったらあんな男の子が出来上がってくるのだろうか。
これから清一さんの迫力も身につけて更にいいオトコになって欲しい。
そんな祐希を育てた両親の話もよかった。
ただ、母さん(貴子さん)の初めてのパートの話が「人間関係」に終始したのはちょっと残念。
たしかにありがちだし一番大変で目立つものではあるけど、それだけじゃないと思うんだよねえ。
枚数の問題もあるのかもしれないけど、幕の引き方もちょっと強引だったように思う。
途中で出てきた早苗ちゃんとの偶然の出会いのシーンはとてもよかった。
今後の展開が楽しみ♪
ボーナス・トラックは『植物図鑑』の彼が特別(?)出演。
1冊めに出てきた早苗のクラスメイト潤子が小学生のときの話。
そこで仲が良かった男の子が"彼"という設定。
いやいや、これはね~…罪作りなヤツだなとw
無意識でやってるだけに対する方としてはどうしようもなくなってしまう感じ。
潤子が転校する前提でホントによかったよね、と。
まあ、だからこその彼の行動なのかもしれないけど。
クラス担任の先生もなかなか酷かったけど、傍から見たら彼本人も同じくらい酷いよね、という感想。
影響力が大きい人はそれを自覚しつつ生きるべきだと思う。
ちなみにタイトルはこちらの曲のサビから取ったものかと。
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