岡條名桜/浪花ふらふら謎草紙
小さい頃父親と2人で泊まっていた小さな旅籠「さと屋」に置き去りにされ、その後子どもがいなかった「さと屋」の主人夫婦の子どもとして育てられた花歩。
実の子どものように大切に育ててくれた「さと屋」での今の暮らしに不満はないけれど、小さい頃から父親の描いたという絵の場所を探すために大阪をふらふらと歩きまわることが日課となっていた。
そうしたふらふら歩きの中で花歩が出会った謎を解く話。
連作時代小説。
最初のほう細切れで読んでいたので、ちょっと印象が曖昧(汗)
ただ、1話目の「浪花の子」は設定とか人間関係が複雑で説明的な部分もあって入りにくかったのも事実。
でもそれ以降の話は花歩の役割が明確になって読みやすかった。
後ろに行くほど面白くなっていったという印象。
特に3作目の『紙牡丹』が特によかった。
佐市、亥助、壮馬それぞれがお互いを思いやる気持ちの暖かさが描かれ、花歩、千代太郎、吉助もそれぞれの役割をきちんと果たして結末も穏やかで気持ちのよい作品になっていた。
花歩と千代太郎の行末や花歩の父親の消息など今後の展開も気になる。
それから、元は同心の次男坊だったのに武士の身分を捨てて商人になったものの、その長男は逆に父の跡を継いだ兄の養子として侍の道を歩むことになった草紙屋「柊屋」の藤次郎と千代太郎の関係も興味深い。
<収録作品>
浪花の子 / 恋絵馬 / 紙牡丹 / 愁押葉
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