放課後探偵団
'80年代生まれの新人作家5人が描く学園を舞台にしたミステリーアンソロジー。
執筆陣は相沢沙呼、市井豊、鵜林伸也、梓崎優、似鳥鶏の各氏。
どれもそれぞれ個性的で楽しかった(^^)
似鳥鶏「お届け先には不思議を添えて」
『理由あって冬に出る』の伊神先輩+葉山くんが登場。
相変わらずキャラの設定が上手い。
今回は英研会長の辻さんがよかったな~w
謎自体はややこしくて途中でよく判らなくなっちゃったんだけど、雰囲気がよかった。
鵜林伸也「ボールがない」
初読の作家さん。
あまり考えるのが得意そうじゃない野球部員がなくなったボールの行方を「ああでもない」「こうでもない」と推理合戦する様子が楽しかった。
結末も青春してて可愛い。
相沢沙呼「恋のおまじないのチンク・ア・チンク」
こちらも初読。
よく名前を見かけるので何冊かは読んだつもりでいたけど、過去ログを当たってもまったく出てこなかった(^^;
デビュー作に出てきたというマジックをする女子高生と彼女に恋する男の子のバレンタインメモリー。
ちょっとヤキモキするけど、甘酸っぱい結末でマル。
市井豊「横槍ワイン」
こちらは逆に初読かと思っていたら読んだことありました!
「聞き屋」の人だったのねw
今回も聞き屋の柏木と悪友の川瀬が登場。
学園ものならこのくらいのスケールの話のほうがまとまりがよくて好きだな。
鎧坂女史の人物設定が印象的だった。
梓崎優「スプリング・ハズ・カム」
今までの4編は全部登場人物が現役の学生だったけど、最後の梓崎さんのだけはかつて学生だった人物たち。
同窓会で15年ぶりにあった友人達が高校の卒業式で起きた謎を解く話。
ミステリとしてはちょっと反則かなと思える設定だけど、雰囲気は好きだな。
切ないラストが印象的。
アンソロジーは作家によって出来にバラつきがある場合が多いけど、これはとてもよくまとまったよい作品集だった。
舞台が学校で探偵役も学生なので内容が軽めなのは否めないけど、どれも設定を生かした生き生きとした作品に仕上がっていたと思う。
それぞれの作家の作品の扉絵がその作家の自作のシリーズを担当してるイラストレーターの作品になっていた(少なくとも似鳥さん、相沢さん、市井さんはそうだった)のもよかった(^^)
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