三上延/ビブリア古書堂の事件手帖<5>~栞子さんと繋がりの時~
シリーズ5作目。久々の新刊。
前作は長編から今回はまた元に戻って一話完結の連作短編。
相変わらず読みやすいし面白かった。
特に手塚治虫の『ブラック・ジャック』を題材にした2話目がよかったな。
娘を失った母親の後悔の言葉が胸に迫った。
栞子を中心にした全体的な関係性は思ったほど劇的な進展はなかったけど、それでも少しずつ確実に変化しているのが感じられた。
ずっと抱えていた懸念を告白した栞子に対する大輔の反応がよかったな~。それを自然に口に出せちゃうアンタは凄い!と思ったw
こんなヤツだからこそ栞子は惹かれたんだろうね。
で、いい雰囲気になるかな~と思ったところで新たな懸念材料が。どうなる次回!というエンディングも上手い。
次回も楽しみ。出来れば早めにお願いします。
「作り話だからこそ、託せる思いもあるんです。もしこの世界にあるものが現実だけだったら、物語というものが存在しなかったら、わたしたちの人生はあまりにも貧しすぎる……現実を実り多いものにするために、私たちは物語を読むんです。きっとあなたのお父様もそうなさってます」(p186)
<収録作品>
プロローグ:リチャード・ブローティガン「愛の行方」 / 第一話:「彷書月刊」 / 第二話:手塚治虫「ブラック・ジャック」 / 第三話:寺山修司「われに五月を」 / エピローグ:リチャード・ブローティガン「愛の行方」
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