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2014/01/12

三木笙子/竜の雨降る探偵社

竜の雨降る探偵社

神主を務めていた神社が湖の干拓事業により姿を消すため廃業して東京で探偵社を始めた櫂(かい)と、その幼なじみの慎吾が事務所に持ち込まれる謎を解く連作ミステリー。

ミステリーとしては日常の謎系のライトな感じ。物語の主眼は櫂と慎吾の関係性。
実は慎吾は干拓事業を推進している建設会社の社長の息子という立場で、櫂から湖を奪ったことに対してずっと引け目を感じている。
だから暇でもない身なのにしょっちゅう事務所に顔を出しては事件に巻き込まれていく、という設定。
この2人の設定がなかなかよかった。

その関係が話が進む中で少しずつ明確になっていき、最終話 「月下の氷湖」で「実は…」と真相が明らかになる展開。
この最後の話がとてもよくて、ラストの櫂の慎吾に対する想いを読んで思わず泣いてしまった。
ただ、このラストで重要な役割を果たす、「櫂がいた神社の隣の湖の神社の神主の娘である美少女・真澄」の登場がちょっと唐突だったのが残念。
もうちょっと前からその存在が(話の中だけでも)チラチラ出てきたほうがよかったのでは。

事件の方は内容がライトなわりに設定が複雑で説明も会話の中が多かったので途中分かりにくい部分もあったけど、全体的には文章も読みやすく読後感もよかった。

あと、第三話に前シリーズの礼くんの消息が出てきたのが嬉しかった♪
この時点で礼くんは70代、相変わらずワガママで気まぐれな絵描きさんらしいw
謎解きに満足してくれたのかな?
でも、物語の中に出てきた「男性が描かれた雨の絵」「哀しみの象徴」という言葉が気になる。
彼のことなの?
続きが読みたいような、読みたくないような…。

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