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2014/03/06

西條奈加/いつもが消えた日 お蔦さんの神楽坂日記

いつもが消えた日 (お蔦さんの神楽坂日記)

シリーズ2作目。

望の中学の後輩でサッカー部員の有斗の家族がある日忽然と姿を消した。
そして家の中には大きな血だまりが残されていた。
この血痕の意味は、そして家族はどこに行ったのか。
何も分からないまま突然当たり前の日常を失った有斗を支える望とお蔦さんの物語。

前作は短編で事件も日常の謎的なものが多かったのに対し、今回は長編でしかもかなり重い内容だった。
何も分からないままたった一人で残されてしまった有斗と、彼を引き取り一緒に生活を始める望とお蔦さんのやり取りが微笑ましく、同時になんとも切ない。
そうした日々の様子を丁寧に描きながら、同時に事件の真相が少しずつ見えてくる構成。
ミステリーによくある「事件の内容を部外者に必要以上に詳細に語る警察関係者」がいないせいでなかなか事件の全体像が見えずモヤモヤする部分もあったけど、その分有斗の子どもらしさ、健気さ、家族を思う気持ちが伝わってくる描写が多く何度も泣かされた。

最後も登場人物ひとりひとりに対してきちんと決着がついていて納得できる結末だった。
特に最後の数ページはずっと泣きっぱなしw

有斗の家族については正直、長期間あの条件の中にいてそんなにきちんとしていられるものかなという気がしないでもなかったけどね。

しかし、望は中学生なのにちょっと出来すぎ。
あの年頃で周囲に流されずに自分の正義を貫くって難しいと思うけどな。
これもお蔦さんの影響なんだろうな。

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