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2014年4月の13件の記事

2014/04/29

小路幸也/オール・ユー・ニード・イズ・ラブ 東京バンドワゴン

オール・ユー・ニード・イズ・ラブ 東京バンドワゴン

大好きなシリーズの最新作。

このシリーズはホントに大好きで毎年すごく楽しみにしてる。
そしていつ読んでもその期待を裏切らない、いやそれ以上の気持ちを私に届けてくれる。
今回もすっごいよかった。
登場人物がみんな何らかの形で堀田家に繋がりすぎ!という嫌いが無きにしもあらずだけど(^^;、まあそれも含めて面白いのでヨシとする。

この作品は登場人物がきっちり1年分成長する(年をとる)ように書かれているので、年1回発表の作品を読むといつも「いつのまにか大きくなっちゃって…」という親戚のおばちゃん気分を味わえるw
特に去年は恒例の四季バージョンじゃなかったため1年開いたから余計。
かんなちゃんと鈴花ちゃんはもう幼稚園ですよっ!
研人もこんなことを言うようになったのか…などなど。
その点も楽しかった♪

ドラマも見ていた人にはニヤニヤしてしまう記述もあったりw
しかし、ほとんどのキャラはドラマの役者さんがそのまま脳内変換されてたけど、藤島さんだけは藤木くんが出てきたよ…イノッチ、ごめん(^^;

<収録作品>
【秋】真っ赤な紅葉はなに見て燃える / 【冬】蔵くなるまで待って / 【春】歌って咲かせる実もあるさ / 【夏】オール・ユー・ニード・イズ・ラブ

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2014/04/26

田中啓文/オニマル 異界犯罪捜査班 鬼と呼ばれた男

オニマル  異界犯罪捜査班  鬼と呼ばれた男 (角川ホラー文庫)

実は正体が「鬼」である刑事・鬼丸と、アメリカ帰りで先祖が陰陽師の刑事・芳垣が鬼丸の所属する忌戸部署管内で起こる不気味な事件を解決する連作短編集。

もっとドロドロしててホラーっぽい作品かと思ったらそうでもなくサックリ読めた。
鬼と陰陽師だけど敵対するわけではない鬼丸と芳垣の微妙な関係が面白い。
正体はまだ確りと把握していないものの鬼丸が只者ではないことを察知して一緒に事件を解決しようとする芳垣と、 相手の能力は認めつつもだからこそ距離を置こうとする鬼丸のやり取りが面白かった。

<収録作品>
鬼と呼ばれた男 / 女神が殺した / 犬の首

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2014/04/21

門井慶喜/こちら警視庁美術犯罪捜査班

こちら警視庁美術犯罪捜査班

美術品絡みの犯罪を専門に扱う美術犯罪捜査班(通称「マルビ」)の刑事・岸すみれと三田村豪気の活躍を描く連作短編集。

残念ながらイマイチ。
テーマはすごく好みなんだけど、事件の内容とか登場人物のキャラがどうもしっくり来なかった。

特に熱血漢だけど美術の知識は素人以下、刑事としても新人の豪気のキャラがウザすぎる。
無鉄砲のバカでも愛すべきキャラと腹立たしいキャラがいるけど、こいつは私にとっては完全に後者だった。
こんな奴と何年もコンビを組んでいられるすみれを尊敬するわ。

あと、出てくる事件も犯罪なんだかそうじゃないんだかハッキリしないので読んでいてスッキリしなかった。
2人の行動も裏付けとかナシに勘とか思い込みで動いてるようにしか見えないし。
だいたい、元夫が犯人かもしれない事件を元妻の刑事が担当するとかアリ?

読んでいても全然刑事モノって感じではなかった。
ガチガチの刑事モノという位置づけじゃなくても、違和感あり。
既存の警察にこだわらずもっと別のそれらしい架空の組織とかにしたほうが自由度が高くてよかったかも。

<収録作品>
こちら警視庁美術犯罪捜査班 / てのひらのロダン / 仏像をなめる / 自分で自分の贋作を / なぜ保険会社がゴッホを買うか

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2014/04/20

酒井順子/紫式部の欲望

紫式部の欲望 (集英社文庫)

「源氏物語」は作者である紫式部の「欲望」を吐き出すために書かれた物語である、という解釈で書かれた解説本。

面白かった~♪
頭脳明晰で男以上に教養がありプライドが高く、でも根暗でモラリストで自分に自信がなかった(と思われる)紫式部が「こうしたい!」「こうなりたい!」と思っていたであろう胸の内を物語の中から探し出し解説してある。
簡潔な文章と簡単に紹介されている物語のあらすじによって非常に分かりやすく、また無理なく納得できる内容が多く楽しく読めた。

習慣や文化が変わっても人間の持つ根本的な部分は変わらないのかも。

巻末に作中の登場人物の系図と各帖の簡単なあらすじ付き。
三浦しをんさんの解説も含め楽しく、満足感の高い一冊だった。

それにしても「親兄弟でも男には直接顔を見せない」ほど徹底していながら、「いきなり夜中に知らない男がやってきて無理やりやられちゃう」っていうギャップが相変わらず解せない…。
しかも、かなりいいところのお嬢さんでもだよ?
いくら紙と木で出来てるからって簡単に入れ過ぎだよねえ(-_-;)

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田中啓文/辛い飴 永見緋太郎の事件簿

辛い飴―永見緋太郎の事件簿 (創元クライム・クラブ)

ジャズバンドのテナーサックス奏者・永見がバンドの周辺で起こる謎を解くシリーズ2作目。

相変わらず傍若無人ないけ好かない登場人物がバンバン出てくるけど、内容はバラエティに富んでいて面白かった。
永見も相変わらずのマイペースっぷりでいい感じ。

今回のタイトルは表題作ほか「苦い水」「酸っぱい酒」「甘い土」…と味覚シリーズ。
このタイトルが直接謎に関わっているということはないけど、統一感があってよかった。

ただ、綺麗に終わったように思わせてそのあと最後の最後にダジャレみたいなのを入れてくるのはどうなのかな、とw

<収録作品>
苦い水 / 酸っぱい酒 / 甘い土 / 辛い飴 / 塩っぱい球 / 渋い夢 / 淡白な毒

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2014/04/19

田中啓文/シャーロック・ホームズたちの冒険

シャーロック・ホームズたちの冒険

シャーロック・ホームズ、赤穂浪士、ヒトラー、小泉八雲、アルセーヌ・ルパンをそれぞれ主人公にしたミステリ短篇集。

かなり強引でバカミスっぽいオチもあったけど、それぞれ趣向が凝らされた作品で楽しく読めた。
特に八雲の人生と、彼が書いた『怪談』を題材にした「八雲が来た理由(わけ)」が面白かった。

パスティーシュとかパロディって好きなんだけど、いかんせん知識が追いつかず元ネタを知らないことが多く本当の意味で楽しむことが出来ないのが残念。
それでも読む方は気楽だけど、書く方はかなりの勉強が必要なんだろうな。
(あとがきで「八雲~」の資料は本棚1本分くらい、との記述があった(^^;)

ちなみに「忠臣蔵の密室」はどこかで読んだような?と思ったら、『J・D・カー生誕百周年記念アンソロジー 密室と奇蹟』に入っていたのだった。

<収録作品>
「スマトラの大ネズミ」事件 / 忠臣蔵の密室 / 名探偵ヒトラー / 八雲が来た理由(わけ) / mとd

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2014/04/13

中島要/夢かさね 着物始末暦3

夢かさね 着物始末暦3 (時代小説文庫)

シリーズ3作目。

2作目を読んだ時に感じたけど、余一の着物の始末屋としての仕事の分量は今回も少なめ。
その分、お糸、綾太郎、お玉、おみつ、六助ら他の登場人物の姿がくっきりと表面に出てきた感じ。

特に見栄っ張りで小心者の綾太郎が自分の姿を振り返り次期当主としての覚悟を決める「星花火」や、お玉と母親・お耀の関係と、そのために尽力するおみつを描いた「夢かさね」が印象的だった。
「夢かさね」のラストのおみつの決心にもらい泣き。 
いよいよ次回は綾太郎とお玉の祝言らしい。 楽しみ♪

そして余一とお糸の関係もちょっとは進展した…のかな?

そうした幸せに向かう雰囲気とともに、次の不安の火種をちゃんと残してのエンディングが上手い。
今後の展開も気になる。

ただ、(余一以外の)登場人物がみんなテンション高くて怒ってばかりいるのでセリフ読んでるとちょっと疲れるのが難点かな(-_-;)

<収録作品>
菊とうさぎ / 星花火 / 面影のいろ / 夢かさね

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2014/04/12

田中啓文/真鍮のむし 永見緋太郎の事件簿

真鍮のむし (永見緋太郎の事件簿) (創元推理文庫)

シリーズ3作目。

唐島のバンドの一員として身近なバンドマンのトラブルを解決する話が3編と、バンドを解散してアメリカに行く唐島に永見が同行する話が3編、帰国したあとの話が1編という構成。

最初のほうのミュージシャン同士の話は相変わらず登場人物が濃すぎて読んでいて疲れた。
まあ、だからこそマイペースで空気を読まない永見の設定が生きてくるって部分はあるんだけど。

それに対して唐島とのアメリカ2人旅の部分は面白かった。
ニューヨーク、シカゴ、ニューオリンズ。
街と音楽が融合したような場所に刺激を受け、それぞれの音楽と向き合い自分のこれからを見つめなおす唐島と永見の姿が生き生きと描かれていて楽しく読めた。
現地のミュージシャンたちとのエピソードもよかった。

これは3作目だけど2作目を読んでいないような気がするので、これから読む予定。

<収録作品>
塞翁が馬 / 犬猿の仲 / 虎は死して皮を残す / 獅子真鍮の虫 / サギをカラスと / ザリガニで鯛を釣る / 狐につままれる

※単行本のときは『獅子真鍮の虫』だったタイトルを改題した模様。

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2014/04/11

宮木あやこ/泥(こひ)ぞつもりて

泥ぞつもりて (文春文庫 み 48-1)

清和、陽成、宇多。
三代の若き天皇と彼に仕えた女達の物語。

後宮恋愛ものとしてよりも、人間ドラマとしてなかなか面白く読んだ。
特に宇多天皇の時代を描いた「東風吹かば」の章が好き。

先の帝 陽成院の母親である高子と寵を争った暄子、そして高子の兄で政の実験を握る基経。
朝廷の中心だった彼らが年を重ね、少しずつ表舞台から身を引き始めたまったりと碁を打ちながら話をしているシーンが印象的。

ラスト、失脚した高子とそれを傍で見守る暄子の会話もいい。

藤原北家を政治の中心に押し上げた良房の養子としてその跡を継いだ基経を、自己の利には興味がない完全な合理主義者として描いているところも面白かった。
陽成や宇多の時代に役目を放擲して屋敷に篭ったのも、駆け引きとかではなく「もう仕事したくなかった」という解釈が新鮮。

帝とその后、時の権力者といった歴史上の人物としてではなく、私たちと同じ感情を持ちその時代を必死で生きた人間としての姿が立ち現れて来る群像劇として面白い小説だったと思う。

<収録作品>
泥(こひ)ぞつもりて / 凍れる涙 / 東風吹かば

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2014/04/09

赤川次郎/鼠、狸囃子に踊る

鼠、狸囃子に踊る (角川文庫)

シリーズ7作目。

まあまあ面白かったし読みやすかった。
でも1つの作品が40ページ前後というのは短すぎ。
内容があっさりしすぎてて物足りない。

次郎吉とお袖が強すぎるのか、敵が弱すぎるのか、とにかく危なげがまったくなくてツルーッと読み終わっちゃう感じ。
もうちょっと背景が複雑で敵も手強くて「もしかしたらやられてしまうんじゃ?」とハラハラするような話が読みたいな。

<収録作品>
鼠、影を踏む / 鼠、夢に追われる / 鼠、狸囃子に踊る / 鼠、狐の恋に会う

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2014/04/08

竹内真/図書室のキリギリス

図書室のキリギリス

バツイチの詩織が友人の紹介で高校の学校司書として働き始める話。

面白かった。
本にまつわる日常の謎系ミステリーかと思って読み始めたので、最初は「謎らしきものは出てくるけどやけにアッサリしてるな」とちょっと物足りない印象だった。
でも読み進めるうちに謎解きはこの作品の単なるアクセントに過ぎないことが分かって来た。
その先に語られるのは「学校司書」という仕事に楽しさ、やりがいを感じ始める詩織と本との出会いで変わっていく生徒たちの姿。
それがとても生き生きと描かれていて楽しく読めた。

実際にある本や作品が多数、魅力的に紹介されているのもよかった。

ただ、詩織の能力の件や元ダンナとのこと(特に領土問題のところ)とか、永田さんが誰と付き合ってたかの話あたりはいらなかったんじゃ…とも思う。

とは言え、ラストも明るく前向きな終わり方で読後感も○。
ただ、いくら前向きになったといって詩織の待遇が改善されることはなさそうなので、契約が切れる時期になったら詩織も永田さんと同じ不満を抱くんじゃないか…という懸念は拭い切れない。
本に関わる仕事へのやりがいと同時に生活の安定の問題でもあるわけだし。
その時も詩織はこのラストのような気持ちを持ち続けていられるんだろうか。
そう考えると「面白かった」で終わらせてしまうにはちょっとお気楽すぎるエンディングなのかもしれない。

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2014/04/06

原田マハ/ジヴェルニーの食卓

ジヴェルニーの食卓

マティス、ドガ、セザンヌ、モネ…印象派を代表する画家たちの史実を、物語として再構築した短篇集。

以前読んだ『楽園のカンヴァス』とは違い長編でもミステリでもないのでどれもみな軽やかで柔らかな印象。
でも、その中に描かれる画家やその作品、そして彼らを支えた周囲の人々への尊敬と愛情が溢れた文章は前作同様で、読んでいて温かい気持ちになった。
作品ごとに関連する絵を検索して、その絵に画家たちが込めた想いを想像しながら読んだ。

どれも素敵な作品だったけど死を目前にしたマティスとピカソの交流を、当時マティスの元で家政婦をしていた老女が語る「うつくしい墓」が一番好き。
原田さんにはこれからも専門知識を活かして「絵を小説で伝える」という分野を書き続けていってほしいな。

モネの「睡蓮」の一部を使った柔らかい色調の装丁も素敵。

この世の生きとし生けるもの。命あふれるものに恋をして。
悲しみは描かない。苦しみも、恐れも。重苦しい人間関係も、きなくさい戦争も、ただれた社会も。そんなものは、何ひとつだって。
ただ、生きる生きる喜びだけを描き続けたい。
病魔に冒されても、先生には、確たる決心があった。まだまだ、墓などには入らない。たとえそれが、どんなにうつくしい墓であろうとも。
(P35より)

<収録作品>
うつくしい墓 / エトワール / タンギー爺さん / ジヴェルニーの食卓

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2014/04/05

ダ・ヴィンチ編集部・編/本をめぐる物語 一冊の扉

本をめぐる物語 一冊の扉 (角川文庫)

8人の作家による「本」をテーマにした短編アンソロジー。
執筆陣は中田永一、宮下奈緒、原田マハ、小手毬るい、朱野帰子、沢木まひろ、小路幸也、宮木あや子の各氏。

テーマに対するアプローチがさまざまで楽しく読めた。
内容も読んでいてニヤニヤしてしまうものから泣けるものまで様々。
しかもこうしたアンソロジーにありがちな出来不出来のバラつきが殆ど無く、どれも短編ながら読み応えのあるしっかりした作品ばかりで面白かった。
特に朱野さん、小路さん、宮木さんの作品が好き。

原田さんの作品は本が登場する後半よりも前半の年老いた父母と娘との関係が身につまされて読むのが辛かった。
電車の中で読んでいたら泣けてきたのでいったん止めて帰ってから続きを読みなおしたくらい。
最後は光が見える結末でちょっと安心したけど、自分もいずれはこうした問題に直面する日が来るかもしれない。
(哀しいけど)覚悟をしておかなければ…。

<収録作品>
中田永一「メアリー・スーを殺して」 / 宮下奈緒「旅立ちの日に」 / 原田マハ「砂に埋もれたル・コルビュジェ」 / 小手毬るい「ページの角の折れた本」 / 朱野帰子「初めて本をつくるあなたがすべきこと」 / 沢木まひろ「時田風音の受難」 / 小路幸也「ラバーズブック」 / 宮木あやこ「校閲ガール」

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