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2014/04/06

原田マハ/ジヴェルニーの食卓

ジヴェルニーの食卓

マティス、ドガ、セザンヌ、モネ…印象派を代表する画家たちの史実を、物語として再構築した短篇集。

以前読んだ『楽園のカンヴァス』とは違い長編でもミステリでもないのでどれもみな軽やかで柔らかな印象。
でも、その中に描かれる画家やその作品、そして彼らを支えた周囲の人々への尊敬と愛情が溢れた文章は前作同様で、読んでいて温かい気持ちになった。
作品ごとに関連する絵を検索して、その絵に画家たちが込めた想いを想像しながら読んだ。

どれも素敵な作品だったけど死を目前にしたマティスとピカソの交流を、当時マティスの元で家政婦をしていた老女が語る「うつくしい墓」が一番好き。
原田さんにはこれからも専門知識を活かして「絵を小説で伝える」という分野を書き続けていってほしいな。

モネの「睡蓮」の一部を使った柔らかい色調の装丁も素敵。

この世の生きとし生けるもの。命あふれるものに恋をして。
悲しみは描かない。苦しみも、恐れも。重苦しい人間関係も、きなくさい戦争も、ただれた社会も。そんなものは、何ひとつだって。
ただ、生きる生きる喜びだけを描き続けたい。
病魔に冒されても、先生には、確たる決心があった。まだまだ、墓などには入らない。たとえそれが、どんなにうつくしい墓であろうとも。
(P35より)

<収録作品>
うつくしい墓 / エトワール / タンギー爺さん / ジヴェルニーの食卓

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