西條奈加/三途の川で落しもの
橋から転落し瀕死の状態のまま三途の川の岸まで辿り着いてしまった小学生・叶人は、輪廻の輪から外れ三途の川で渡し守をする2人の男の仕事の手伝いをすることになる。
ファンタジー。
面白かった。
現代の小学生と江戸時代の男たちの噛み合ってるようで噛み合ってないコミカルなやり取りが楽しい。
その中で「生きること」「死ぬこと」「幸せ」といった難しい命題がさり気なく語られている。
さりげなさすぎてちょっと食い足りない感じはあるけど、全体の雰囲気とのバランスを考えるとあのくらいがちょうどいいかも。
耳から聞いて想像したままの姿で出てくるあの世の番人、ダ・ツ・エヴァや県営王の造形も面白かった。
最後の章で明かされる叶人が三途の川まで辿り着いてしまった背景はちょっと唐突。
最初のほうで家族の話が繰り返し出てくるのでそれに関連してるのかと思ったら、そうじゃなかったのでちょっとビックリ。
確かに叶人にとっては重い事実で本人がそれを忘れてしまおうとしていたのだと思うけど、それでももう少し早い時点で少しずつ明示されていたほうがよかったような気がする。
あと、エピローグ。
あれはあれで微笑ましくていいんだけど、もうちょっとクールに終わったほうがよかったかなと思う。
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