« 田中啓文/鍋奉行犯科帳 浪速の太公望 | トップページ | 都筑道夫/キリオン・スレイの生活と推理 »

2014/07/27

隆慶一郎/柳生非情剣

新装版 柳生非情剣 (講談社文庫)

剣に生きる一族に生まれた柳生連也斎、友矩、宗冬、十兵衛、新次郎、五郎右衛門の5人それぞれを主人公に、骨肉相食む人生を描いた短篇集。

短編ごとに主人公と視点が変わるので、同じ人物でも物語が変わると別の側面が見えてくるのが興味深かった。

それぞれ40ページほどの短編だけど、状況や人物、心情などが息苦しささえ感じるくらい丁寧に描かれていて強い余韻を残す作品集。
肉親との戦いの中に生きた4人に対し、自分を逃がそうとした高弟の息子のために鬼神のように戦い戦場で死んでいった五郎右衛門が印象に残った。

柳生っていうと十兵衛くらいしか知らなかったけど、他にも剣の天才をこんなにも輩出していたのね。
しかもこの5人はそれぞれ兄弟、従兄弟、そしてその父親あるいは伯父という非常に近しい関係。
天才的な遣い手なんて何十年に1人くらいしかいないようなイメージだったけど、こんなに短期間に同族から何人もの名だたる名人が出ていたということに驚く。
といっても、少なくともこの作品中の彼らは剣の天才だからといって決して幸せではなかったようだけど。
剣は殺戮の道具だからそれもまたさだめってことなのかな。

<収録作品>
慶安御前試合(柳生連也斎) / 柳枝の剣(柳生友矩) / ぼうふらの剣(柳生宗冬) / 柳生の鬼(柳生十兵衛) / 跛行の剣(柳生新次郎) / 逆風の太刀(柳生五郎右衛門)

|

« 田中啓文/鍋奉行犯科帳 浪速の太公望 | トップページ | 都筑道夫/キリオン・スレイの生活と推理 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

読書感想文」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/29699/60128069

この記事へのトラックバック一覧です: 隆慶一郎/柳生非情剣:

« 田中啓文/鍋奉行犯科帳 浪速の太公望 | トップページ | 都筑道夫/キリオン・スレイの生活と推理 »