都筑道夫/退職刑事<1>
主人公は退職した元刑事。
5人息子のうち唯一自分と同じ職業を選んだ五男の住む団地に足繁く訪れ、現在捜査中の事件の概要を聞き出しそこから犯人を推理するという安楽椅子探偵もの。
’73~’75年初出の短編7編を収録。
書かれたのが約40年前ということで事件の設定には少々古臭さがあるものの、すべて同じ場所、同じ人物だけの会話で推理が進んでいくという安楽椅子探偵もののお手本のような作品でとても楽しめた。
事件についてのやり取りもいいけど、その間に挟まれる何気ない親子の会話や父子が事件の話をしている間は別室でTVを見ていて、時々お茶を入れに現れる息子の妻の存在が自然でよかった。
また、事件の内容がほとんど男女間のいざこざ的な内容だったのも印象的。
最後の著者のあとがき、法月綸太郎氏の解説も含め楽しめる1冊だった。
この作品集は2002年に東京創元社から全6巻で再刊されたシリーズ。
地元の図書館になかったので他の地区の図書館から取り寄せて貰ったけど時間がなくて3冊のうち1冊しか読み終わらず(延長が出来なかった)(T_T)
しばらく時間を置いてまた続きを借りてこよう。
<収録作品>
写真うつりのよい女 / 妻妾同居 / 狂い小町 / ジャケット背広スーツ / 昨日の敵 / 理想的犯人像 / 壜づめの密室
もっとも素朴で、純粋な知恵の物語であるためには、背景の多様さや臨場感はむしろ邪魔で、謎と論理の変化があればよい。(著者あとがきより)
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