石持浅海/二歩前を歩く
軽いホラー風味のミステリー短篇集。
面白かった♪
前に読んだ『三階に止まる』と似てるかな。
違っているのは、前作は登場人物が一定しない「ノンシリーズ」のような雰囲気の作品集だったけど、今回は登場人物がすべてある特定の会社の社員で、それぞれの身の周りで起きた(オカルト的に)不思議な現象を同社の研究所勤務の小泉という特定の人物が謎解きするというパターンだったというところ。
この「探偵役を特定する」という仕掛けが非常に効果的で、全体的に『三階に止まる』よりも安定して面白かったし、結末のちょっとゾクッとする感じも活かされていたと思う。
そして何より小泉のキャラが素敵すぎるw
頭が良くて論理的で、人当たりがよく面倒見がいいけど偉ぶらない。
しかも仕事も家庭も大切にするタイプらしい。
石持さんの作品に出てくる探偵役はいつも頭が良くて素敵な人が多いけど、また新たなキャラ登場で楽しかった。
しかし、同じ会社でこんなにいろんなことが起きるなんて…この会社大丈夫なのかしら(^^;
しかも考えようによっては「すべての契機になっているのは小泉なのでは」とも思えるところがよけい怖い。
ゾワゾワとするラストの話を続けてきたその最後、「九尾の狐」だけ他の話と違うエンディングに持っていったところが巧いなあと思った。
サックリ読めるけど満足感の高い1冊だった。
<収録作品>
一歩ずつ進む / 二歩前を歩く / 四方八方 / 五ヶ月前から / ナナカマド / 九尾の狐
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