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2014/09/08

山本兼一/利休の茶杓 とびきり屋見立て帖

利休の茶杓 とびきり屋見立て帖

とびきり屋シリーズ最新刊にして最終刊。
短編6編を収録。

物語としてはちょっと輪郭が曖昧でぼんやりした部分があったけど、ゆずと真之介の変わらぬ仲の良さやとびきり屋の奉公人たちの誠実で心温まる仕事ぶりが読んでいて気持ちよかった。
(それに対して、ゆずの親元や茶の湯の若師匠は相変わらずのいけずっぷりでちょっとうんざり)
そういった店の様子と平行して、急激に時代が変わっていく不穏な空気が描かれる。
それは物語のメインではないけれど、だからこそ却って先が見えない不安な空気が京都の町に色濃く漂っていたことが感じられた。

長い時間をかけて人々から愛されてきた「道具」を扱い誠実に商いを営むとびきり屋の人々とそれに関わりなく血を流しながら変わっていく時代。
その先に著者は何を描こうとしていたのだろうか。

数々の伏線を残したまま物語は終わる。
たくさんの物語の種を抱えたまま旅立ってゆかれた山本さんのご冥福を改めてお祈りします。

<収録作品>
よろこび百万両 / みやこ鳥 / 鈴虫 / 自在の龍 / ものいわずひとがくる / 利休の茶杓

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