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2014年10月の4件の記事

2014/10/30

篠原美希/迷宮庭園 華術師 宮籠彩人の謎解き

迷宮庭園: 華術師 宮籠彩人の謎解き (新潮文庫)

「花からのメッセージを読み解く『華術師』」という設定に惹かれて読み始めたけど、残念ながら期待していたのとは違ってた。
「華術師」の魅力というかその存在がどういうものなのかさっぱり判らなかったし、またその能力が謎ときに活かされたのかどうかも不明だった。
もっと言ってしまえば彩人が謎を解いたのかどうかさえも曖昧な感じ。

あと、展開が遅いのも気になった。事件が起こるまでに時間掛かりすぎ。

多分シリーズ化を見込んでの人物紹介的な展開だったのではないかと思えるけど、それにしてももうちょっと惹きつける出だしでないと次を読もうとは思えないな。

そして何より主人公・彩人の担当編集である立花(たてはな)の性格設定が鬱陶しくて途中で何度も挫折しそうになった。
もしかしたら事件を解く重要な鍵を握ってるとか?と思って我慢して読んだけど、結局そういうこともなくただ鬱陶しいだけとか。
あの登場人物、必要だった?
美形だけど花に興味のない女性刑事・朽木と彩人のコンビで十分なんじゃないかと思うけど。

『華術師』という設定はいいんだけど、多分次は読まないと思う。

表紙のタイトルもフォントの選択を間違えていると思う。
もっと綺麗で読みやすいフォントがいくらでもあるはず。
田倉トヲルさんのイラストは悪くない。

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2014/10/25

若林正恭/社会人大学人見知り学部 卒業見込み

社会人大学人見知り学部 卒業見込 (ダ・ヴィンチブックス)

漫才コンビ・オードリーの春日じゃないほう(笑)が書いた自分の性格や社会との関わりについて書いたエッセイ。

面白かった。
本人も書いている通り自意識過剰な部分はあるけど、そういった部分も含めて自分を客観視して更にそれを的確な言葉で表現できる人という印象。

文章もいわゆる「美文」ではないけど、読みやすかった。
周囲から得た情報の盛り込み方、最後にニヤッとするオチがつくのもうまい。
表紙のデザイン、扉絵に使われた本人の微妙なwイラストも含め、かなり上出来な一冊。

多分、普通の人だったら何の疑問も抱かずにポンとまたげる「段差」の前でいろいろ考えてしまうタイプなんだろうな。
そういう自分を「困ったな」と思いつつ、逆にそこに強烈な自負があることも見て取れる内容だった。

このエッセイは雑誌「ダ・ヴィンチ」の連載をまとめたものだけど、その連載は現在も続いているようなので続刊も楽しみ。
そして、それとは別の「自分」以外の話も読んでみたいな。

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2014/10/20

柄刀一/黄昏たゆたい美術館

黄昏たゆたい美術館

子連れ絵画修復士・御倉瞬介を探偵役した連作短編ミステリー。

読み始めるまで気付かなかったけど、『時を巡る肖像』の続編だったのね(^^;
前作の時も感じたけど、テーマとなる絵画作品への言及はとてもおもしろくて読み応えがあるのに、それと瞬介が解決する謎の関係性がイマイチ曖昧な作品が多かったのが残念。

そんな中にあってゴッホとゴーギャンの関係を主題にした「『ひまわり』の黄色い囁き」は、ゴッホの人生と性格、人間関係、それらが作品に及ぼした影響への考察に説得力があったし、それが一人の女性の死の真相へと結びついていく展開にも一体感があって無理がなく非常に面白かった。

それにしても読み終わるまでにすごく時間が掛かった(T_T)10日くらい読んでたよ…。
読みにくいわけではないんだけど、なかなか進まず…でした。
取り敢えず読み終わってホッとしたw

<収録作品>
神殺しのファン・エイク / ユトリロの、死衣と産衣 / 幻の棲む絵巻 / 「ひまわり」の黄色い囁き / 黄昏たゆたい美術館

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2014/10/08

久坂部羊/芥川症

芥川症

初読みの作家さん。
芥川作品のパロディ×医療・介護×ブラックユーモアといった感じの短篇集。

著者が現役の医師だけあって医師や看護師の会話とかリアリティあり。
特に父の死の真相を知ろうと患者の息子が病院中を歩きまわる「病院の中」の状況は、実際にありそうでジワジワ怖い。

全体的に明るい内容ではないので読後感はイマイチだけど、スッキリした文章で読みやすくシニカルな中にも考えさせられるものがあった。

芥川の作品をそのまま引き写したわけではないので原作を知らなくても(あるいは忘れていても)面白く読めるけど、やっぱりオリジナルを読んでおいたほうが楽しめるかも。

<収録作品>
病院の中 / 他生門 / 耳 / クモの意図 / 極楽変 / バナナ粥 / 或利口の一生

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