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2014年11月の3件の記事

2014/11/28

池波正太郎/鬼平犯科帳 16

鬼平犯科帳(十六)

久しぶりの再読(多分10年以上ぶり)だけど、面白かった!

どの作品も「鬼平率いる火盗改が盗人を捕らえる」話なんだけど、そこに至るまでの展開は毎回工夫が凝らされていて新鮮。
そして文章は飄々としていて読みやすかった。

収録されている5篇の中で一番好きだったのは冒頭の「影法師」。
火盗改の同心・木村忠吾がある盗人に昔騙された仲間だと勘違いされる話。
展開はシリアスなのに、全体的にはコントみたいな可笑しみがあって楽しかった。
ラストのオチも効いていた。

あと最後の「霜夜」もよかった。
若いころ出奔して以来20年以上音信がなかった年下の友人を偶然見かけた平蔵。声をかけられぬまま尾行していくと…。
平蔵の若い日の思い出がかなり詳しく語られていて興味深い。
この話も「影法師」とは違った意味でラストが印象的だった。

ちなみに16巻を読んだのには特別な意味はなく、「読みたいな~」と思って部屋の中を探したら一番先に見つかったから。
文庫を買って読んで捨ててはいないはずなのに、バラバラに仕舞いこんであるらしくなかなか見つからない。
時間があるときに探そうっと。

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2014/11/12

知念実希人/天久鷹央の推理カルテ

天久鷹央の推理カルテ (新潮文庫)

傍若無人な天才女医・鷹央が病院の内外で起こる不思議な現象の謎を解く医療ミステリー。連作短編。

鷹央とコンビの小鳥遊を始めコミカルなキャラ設定で文章のテンポもよく楽しく読めた。
病気と謎の繋げ方も無理がないし、専門的な部分の描写に拘泥しないのも好印象。

主人公の鷹央は医師としては天才だけど、子供っぽく人間関係に難ありという設定。
こういうタイプは読んでると段々食傷気味になることが多いけど、鷹央の場合、自分の限界や大切にしなければならないものをきちんと理解している部分も描かれてその先の変化を予感させる設定になっているのがよかった。

一方で研修医の鴻ノ池の設定は苦手だったな~。
あと小鳥遊はイマイチどんな人なのかピントが合わなかった感じ。

ちょっとライトすぎるかなとも思えるけど、サクッと読むにはちょうどいい一冊。
続編も出るようなので楽しみ。
鷹央と院長の対決があるのかな。

<収録作品>
プロローグ / 泡 / 人魂の原料 / 不可視の胎児 / オーダーメイドの毒薬 / エピローグ

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2014/11/08

小路幸也/荻窪 シェアハウス小助川

荻窪 シェアハウス小助川 (新潮文庫)

小路さんお得意の「同じ家にたくさん人がいる」小説(笑)

今回の舞台は廃業した個人病院を改築したシェアハウス。得意技を活かす設定にまず感心。
しかも今回は一緒にいるのがみんな他人なので、「家族くくり」の『バンドワゴン』との違いも楽めた。

たとえ他人の集まりでも小路さんの小説だから修羅場はないんだろうなあと思いながら読んでやっぱりその通り。
しかも他人との軋轢の経験が少ない私が読んでも「上手く行きすぎでしょ」と思うスムーズな展開だけど、お互いに相手を気遣い思いやる関係が気持ちよかったのでヨシ。

こういう「みんなが集まりました」から始まる物語はどこでどう別れるかが難しいんじゃないかと思いつつ読んでいたけど、そこも「そうくるか!」という意外性を含みながらも今後の明るい展開を予感させるうまいエンディングで最後まで楽しく読めた。

彼らの今後もちょっと覗いてみたいな。

登場人物のイメージ、他の人は全然浮かばなかったけど何故かウエイターの大場くんだけは俳優の鈴木一真さんがパッと頭に浮かんでずっとそのまま動いてた。
そんなに頻繁に見るわけでもないし今まで意識したこともなかったのに何故だろう(笑)

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