近藤史恵/胡蝶殺し
急死した先輩役者の遺児の後見をすることになった萩太郎。
同い年の息子を持つ歌舞伎役者の葛藤と少年たちの成長を描いた物語。
面白かった。
タイトルからもっと剣呑な話を想像していたし前半はちょっとハラハラする展開だったけど、ラストは希望が見える綺麗な結末で満足。
父親が亡くなり寄る辺がなくなった秋司と自分の子どもである俊介の間に立ち、どちらの才能も活かしてやりたいと葛藤する萩太郎の気持ちが丁寧に描かれていて説得力があった。
そして最後に明かされる少年の決意に胸を打たれる。
ちょっと少年たちが出来過ぎな感はあるけどいい話だった。
「才能はあるが、努力が足りない」などと、したり顔に言う人がいるが、本当の才能というのはそんな単純なものではない。
努力せずにはいられない衝動も含めて、才能というのだ。
(p38より)
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