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2014/12/09

西條奈加/まるまるの毬

まるまるの毬

麹町で人気の小さな菓子屋「南星屋」。
武士の身分を捨てて菓子職人になった主人の治兵衛と娘のお永、孫のお君の三人の周囲で起きる事件を描いた連作短編時代小説。

久しぶりに泣きながら本を読んだ。
西條さんの作品はどれもいいけど、これは一番好きかも。

治兵衛、お永、お君そして治兵衛の弟で僧侶の石海ら登場人物の設定がしっかりしていて、読んでいると彼らの言葉や動き、想いまでもが届いてくるようだった。
特に人物として秀でているわけではないけど周囲の幸せを願いながら日々を笑顔で過ごそうとする人々の生き方が心地よかった。

最初は菓子をテーマにした軽めの話かなと思っていたら中盤以降の怒涛の展開!
その緩急がすばらしかった。
不安と期待、喜びと失望、迷い、戸惑い…そういった感情が丁寧に描かれていて胸に迫る。
何よりよかったのはどんなに失意の底にあってもそこには必ず希望も描かれていたこと。

すべてが丸く収まるわけではない、でも最後は笑顔で、という落とし所も上手かった。
とても素敵な読書時間だった。満足♪

<収録作品>
カスドース / 若みどり / まるまるの毬 / 大鶉 / 梅枝 / 松の風 / 南天月

タイトルの『まるまるの毬』、「毬」は「まり」かと思ったら「いが」なのね!
「まり」と「いが」が同じ漢字だって初めて知った。
日本語、難しいわ。

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