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2015/02/22

梶よう子 / ご破算で願いましては みとや・お瑛仕入帖

ご破算で願いましては: みとや・お瑛仕入帖

永代橋崩落事故で両親を亡くし、思いがけない借金で店もなくした長太郎とお瑛兄妹。
それから5年、周囲の援助で何でも小さな店を開いたが、仕入れを担当する長太郎はいつもいわくつきの品を持ち帰る。
その品をめぐる騒動と事故の影に隠されたある物語。

連作短編なので全体的には軽い雰囲気の内容が多くて、単体では面白かった。
ただ、最初の設定(両親が事故で死んで店もなくし兄妹2人が放り出される)が重いし、あちこちに怪しい伏線が張ってあるので気持ちがソワソワしてしまって落ち着いて読めない部分もあり。
特に兄の長太郎の暢気な感じがどうもしっくり来なくて、お瑛じゃないけどイライラすることが多かったかな。
多分、長太郎は長太郎でいろいろ考えて行動してたんだろうし、お瑛のことも誰よりも大切に思っているんだろうけど「言わなくちゃ判らないこと」ってあるよね。

お瑛が舟を操ることが巧みでさらに舟に乗ると顔つきも性格も変わるという設定は意外性があったし、過去の哀しい記憶とそれでも自分は前を向いて生きていくというお瑛の生き方がうまく表されていてよかった。
最後はちょっとバタバタしたけど上手く収まって読後感もいい作品になっていて安心した。

お父っつぁんとおっ母さんが逝ってしまった悲しみも、借金で店屋敷を取られて、通りに放り出された悔しさも、舟を漕いでいるときだけは忘れられた。
舟は後ろ向きには進まない。前に前に進んでいく。だから顔を上げることが出来たのだ。(p103より)

<収録作品>
ご破算で願いましては / 月に叢雲、花に風 / 我が待つ君 / めんないちどり / 天神さまが寝てござる / 化粧映え

最初、タイトルを見て『算法少女』みたいな話かと思っていたら全然違ったのは残念だった…(笑)

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