宇江佐真理/夜鳴きめし屋
夕方から店を開け明け方まで酔客相手に居酒見世を商う長五郎を主人公にした連作時代小説。
江戸を舞台にした時代小説なのに、内容を読んでいるとそのまま現代の盛り場の物語としても通用するような普遍性のある設定で読みやすかった。
そして同時に登場人物の心情や他人への気配り、仕草、物言いには時代小説らしい品と緊張感があるものよかった。
10年ぶりに戻ってきた芸者のみさ吉の息子が自分の子かもしれないと知った長五郎と、みさ吉のお互いのとまどい、気後れ、意地の張り合いが丁寧に描かれる。
その間に挟まれる、見世の常連たちの小さなエピソードも変化に富んでいて楽しかった。
この作品の前段に長五郎の両親である音松とお鈴を描いた『ひょうたん』という作品があるらしいので、こちらも読んでみたい。
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