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2015年4月の5件の記事

2015/04/28

土橋章宏/超高速!参勤交代

超高速! 参勤交代 (講談社文庫)

難癖をつけて藩の取り潰しを狙う老中から五日以内に江戸への出仕(参勤交代)という無理難題を言いつけられた東北の小藩の殿様とその家来たちの悪戦苦闘ぶりを描いた作品。

面白かった。
もっと軽くて全編コメディなのかと思ったら、わりとシリアスだったのが意外。
最後の展開を考えるとちょっと重くしておかないとならなかったのかもしれないけど、それにしても後半はちょっとハード過ぎたかも。
特にお咲に対する仕打ちはひどすぎるんじゃないの?と思うなあ。
いくら最後は丸く収まってもモヤモヤが残った。
あと味方から死人が出るのもちょっと残念だった。
何も殺さなくても…。

でも全体的に(超高速!なだけに(笑))スピード感があるし、5日の中に全部を詰め込んであるのにあまり無理を感じない展開で読みやすかった。
主人公の政醇(まさあつ)始め登場人物たちの設定がきちんとしててブレがないところも好印象。

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2015/04/21

ダ・ヴィンチ編集部 編/サイドストーリーズ

サイドストーリーズ (角川文庫)

12人の作家の人気シリーズの本編から外れたサイドストーリーを集めた短篇集。

執筆陣は中田永一、貴志祐介、宮木あや子、東直己、垣根涼介、狗飼恭子、中山七里、笹本稜平、冲方丁、誉田哲也、貫井徳郎、三浦しをんの各氏。

面白かった♪
各編が20ページほどの掌編なのでサクッと読めるし、シリーズの中の作品ではあるけれどこれはこれで完結しているのでモヤモヤする部分がない、更に元のシリーズへの興味も湧かせるという非常にバランスの良いアンソロジーだった。
読んだことあるのもないのもあったけど、どれも楽しく読めた。
オススメ。

シリーズの主人公がそのまま主役の作品もあったけど、私は脇役が主人公になってる作品のが好きだったな(と言ってもシリーズ自体読んでない作品も多かったけど(^^;)
これから読んでみる~!

<収録作品>
中田永一「鯨と煙の冒険」(『百瀬、こっちを向いて』番外編)/ 貴志祐介「一服ひろばの謎」(「防犯探偵・榎本径」シリーズ番外編)/ 宮木あや子「皇帝の宿」(『校閲ガール』番外編)/ 東直己「街で立ち止まる時」(「ススキノ探偵」シリーズ番外編)/ 垣根涼介「同窓会」(「君たちに明日はない」シリーズ番外編)/ 狗飼恭子「心の距離なんて実際の距離にくらべれば、」(『遠くでずっとそばにいる』番外編)/ 中山七里「平和と希望と」(『さよならドビュッシー』番外編)/ 笹本稜平「ゴロさんのテラス」(『春を背負って』番外編)/ 冲方丁「雁首仲間」(『天地明察』番外編)/ 誉田哲也「落としの玲子」(「姫川玲子」シリーズ番外編)/ 貫井徳郎「オレンジの水面」(『北天の馬たち』番外編)/ 三浦しをん「多田便利軒、探偵業に挑戦する」(「まほろ駅前」シリーズ番外編)

「そういえばおばあちゃんよく言ってた。人生で一度くらい、馬鹿みたいで劇的な、老後に思い出すだけでにやにやできるようなことをしなさいって。それが、人生の豊かさを決めるんだって」
狗飼恭子「心の距離なんて実際の距離に比べれば、」より

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2015/04/17

長崎尚志/闇の伴走者 醍醐真司の博覧推理ファイル

闇の伴走者: 醍醐真司の博覧推理ファイル (新潮文庫)

病気で死んだ巨匠漫画家のアトリエから発見された過去に発生した連続女性失踪事件に関連すると思われる未発表の作品。
元警官でフリーの調査員である優希はその原稿の調査を依頼される。
その助っ人としてフリーの編集者の醍醐を紹介されるが…。

長編ミステリー。
初読みの作家さん。なかなか面白かった。

主人公は優希だけど、謎を解くのは醍醐という設定。
優希が行動、醍醐が思考って感じかな。
(優希も頭が悪いわけではない)
この役割分担が明確なのがいい。
それでいて、2人の息が合っているように思えないのも面白い。
2人の微妙な距離感の表現が上手いなと思った。

著者は「Masterキートン」などの漫画原作を手がけてきた人物とのこと。
その経験から来るのであろう、醍醐が語る漫画について(漫画家の作風や編集者と漫画家の関係など)の薀蓄話が非常に面白かった。

事件のほうはちょっと長いかなと思いつつも、犯人が二転三転して適度に危険なシーンもあったりと緩急と盛り上がりがあって最後まで飽きずに読めた。
ただ、最後の真犯人との対峙のシーンはちょっとあっさりだったかな、という印象。
でもコンビとしては面白かったので続編も期待。

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2015/04/12

篠綾子/藤原定家・謎合秘帖 華やかなる弔歌

藤原定家●謎合秘帖 華やかなる弔歌 (角川文庫)

後鳥羽上皇の命により新たな和歌集の編纂作業を進める和歌所に「和歌所を閉じなければ当代六歌仙を殺す」との脅迫状が届く。
一体誰の仕業なのか、「当代六歌仙」とは誰を指すのか。
選者の一人である藤原定家を主人公にした平安ミステリー。

初読みの作家さん。
全体的に文章は読みやすかった。
ただ、平安小説特有の名前が覚えにくさと登場人物の相関図が複雑すぎて時々混乱するのはいつも通り。

あと、定家のいい人すぎてはっきりしない性格設定で、何も出来ずにオロオロと過ぎていく前半はちょっと飽きた。
後半、探偵役の高僧・長覚が登場すると一気に物語にメリハリが出てきてテンポもよくなって面白かった。
ただ、その分、伏線の回収がバタバタと強引すぎたかなという印象。

物語の内容に合わせて当時の名人が詠んだ和歌と、著者が詠んだオリジナルが入っているんだけど和歌にはまったく知識のない私でも、読んで「ん~?」と思ったのはオリジナルのほうだったあたりが…いや、難しいものだなあ、と。

シリーズ物でこの前にもう1作あるようだけど、読むかどうかは微妙…。

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2015/04/09

石持浅海/第一話: 石持浅海「連作短編集・第一回」コレクション

第一話: 石持浅海「連作短編集・第一回」コレクション (光文社文庫)

著者の連作短編の第一回だけを集めた作品集。

面白かった。
こんな企画を一人の作家で実現出来てしまうのは石持さんならでは。

石持さんの作品の魅力は登場人物がみんなクレバーで物語の脱線や停滞がないところ。
打てば響くようなクリアな展開がいつ読んでも気持ちいい。
それでいて内容が平板にならないちょっとしたエッセンス(食べものの話であることが多いかも)を効かせてあるところもうまい。
さらにそういった共通項がありながら、それぞれの作品がきちんと独自性を持っているのもすごいと思う。

今回の作品集には著者がアマチュア時代に書いた作品(その後シリーズ化)も収録されているけど、すでにこの時点で今と遜色ない作品に仕上がっているのはさすが。

合計9作の第一回が収められているけど、私は既読が4作、未読が5作だった。
まだまだだな(笑)

<収録作品>
貧者の軍隊 / 檸檬 / セミの声 / 人柱はミイラと出会う / 白衣の意匠 / ハンギンギ・ゲーム / Rのつく月には気をつけよ / 金の携帯 銀の携帯 / 地雷原突破

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