篠綾子/藤原定家・謎合秘帖 華やかなる弔歌
後鳥羽上皇の命により新たな和歌集の編纂作業を進める和歌所に「和歌所を閉じなければ当代六歌仙を殺す」との脅迫状が届く。
一体誰の仕業なのか、「当代六歌仙」とは誰を指すのか。
選者の一人である藤原定家を主人公にした平安ミステリー。
初読みの作家さん。
全体的に文章は読みやすかった。
ただ、平安小説特有の名前が覚えにくさと登場人物の相関図が複雑すぎて時々混乱するのはいつも通り。
あと、定家のいい人すぎてはっきりしない性格設定で、何も出来ずにオロオロと過ぎていく前半はちょっと飽きた。
後半、探偵役の高僧・長覚が登場すると一気に物語にメリハリが出てきてテンポもよくなって面白かった。
ただ、その分、伏線の回収がバタバタと強引すぎたかなという印象。
物語の内容に合わせて当時の名人が詠んだ和歌と、著者が詠んだオリジナルが入っているんだけど和歌にはまったく知識のない私でも、読んで「ん~?」と思ったのはオリジナルのほうだったあたりが…いや、難しいものだなあ、と。
シリーズ物でこの前にもう1作あるようだけど、読むかどうかは微妙…。
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