市井豊 / 人魚と金魚鉢
「聴き屋」シリーズ第二弾。
今回も短編集で5編収録。
前作を読んでからずいぶん経つのでかなり忘れていることが多かったけど、ストーリーを追うのには特に問題はなし。
会話のテンポが良くて読みやすかった。
最初の「青鬼の涙」だけは主人公の柏木の家族の話。
柏木って(朧気な記憶ながら)もっとしっかりした青年のイメージがあったのに、冒頭からかなり天然ボケな会話が繰り返されるのでなんかちょっと違和感。
(最初、別の登場人物の家族の話かと思った)
子どもの頃の、おじいさんとの距離感もなんとなく以前読んだ(そしてこのあと出てくる)柏木のイメージとは違っていたような。
大学を舞台にした他の4作は以前のイメージに戻ったのを考えると「キャラクターはその場の相対的な関係性で決まる」ってことなのかな。
(大学では周りがみんな困ったちゃんなので柏木がしっかりして見える、的な)
妹の立夏ちゃんが可愛かった。
今度は兄弟の話も読みたいな。
ストーリー展開はちょっと強引な部分がチラホラ。
でも個性的なキャラの書き分けとか、結末の落とし所は嫌いじゃなかった。
それに前回みたいに殺人事件が起こらなかったのもよかった。
しかし、この作品を読むとどうしても『動物のお医者さん』を思い出すな(笑)
<収録作品>
青鬼の涙 / 恋の仮病 / 世迷い子と / 愚者は春に隠れる / 人魚と金魚鉢
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