山本兼一 / 黄金の太刀 刀剣商ちょうじ屋光三郎
シリーズ2作目。今回は長編。
1作目の最後に出てきた剣相家の白石瑞祥に騙された旗本の息子と光三郎、鍛冶平の3人が逐電した瑞祥を追って鎌倉、京都、奈良、備前長船と旅をする話。
前作が面白かったので期待していたけど、残念ながら今ひとつ。
騙し取られた金を返してもらうため瑞祥を追って、江戸から長い旅に出るものの行く先々で一足違いで取り逃がすか、たまたま追いついてもグダグダしてるうちに逃げられる…の繰り返しで、途中で飽きてしまった。
旅の原因となる旗本の息子もただ怒ってばかりで全然役に立たないのも苛つく。
何より、瑞祥の最後の行動のあとに、あの結びの内容(光三郎が自分で刀を鍛える)が出てくるのがしっくり来なかった。
著者の目的は追走劇よりもかつて名刀匠たちが仕事をしていた場所を巡ってそれぞれの土地や人物について描くことだったのかも。
それであれば、その旅の結果として光三郎が自分なりの太刀を鍛えあげるという結末も納得できる。
でも、だとしたらもっと光三郎たちにゆったりした気持ちで旅をさせる設定にして欲しかった。
せめて1作目と同じ短編か、長編でも各章ごとにひとつずつ結末のある事件(謎解き)の要素があったらよかった。
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