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2015/07/12

山本兼一 / 狂い咲き正宗 刀剣商ちょうじ屋光三郎

狂い咲き正宗 刀剣商ちょうじ屋光三郎

将軍家の刀剣を管理する御腰物奉行の嫡男として生まれながら父親との考え方の違いから勘当され、馴染みの刀剣商の入婿となり商人として刀剣に関わっていく道を選んだ光三郎を主人公にした連作短編集。

読みやすくて面白かった。
光三郎の目を通して描かれる名刀の描写が生き生きとしていて楽しい。
刀剣には特に興味のない私でも「実物を見てみたい」と思わされる。

また、光三郎を始め父親の奉行・勝義、ちょうじ屋の主人・吉兵衛、新妻のゆき江、刀鍛冶の清麿、鍛冶平ら登場人物もそれぞれ個性的でよかった。
特に光三郎が仕事で浅草や吉原に他出するたびにヤキモチを焼いて拗ねるゆき江とそれをなだめる光三郎のやり取りが、男ばかりで刃物の話をする物語の中に和らぎと華やかさを添えていて印象的。
また、清麿とおとくの関係も素敵だった。

ただ、刀剣に対する欺瞞が許せず家を飛び出た光三郎が、自分の事件を解決するために剣を使って相手を騙すような展開になるのはちょっとどうかな~と思う。
家を飛び出してすぐにおあつらえ向きに信頼できる刀屋の入婿(しかも新妻は若くて美人)になれてしまったりするのもお話にしても都合良すぎなんじゃ…。
ちょうじ屋に元からいる奉公人たちから反感を買ったのでは、といらぬ心配をしてしまった(笑)
まあ、そこにたどり着かないと話が始まらないってことなんだろうけど。

<収録作品>
狂い咲き正宗 / 心中むらくも村正 / 酒しぶき清麿 / 康継あおい慕情 / うわき国広 / 浪花みやげ助広 / だいきち虎徹

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