カテゴリー「読書感想文」の11件の記事

2015/01/10

海堂尊/ケルベロスの肖像

ケルベロスの肖像

【注意!】
以下、思いっきりネタバレです!


バチスタシリーズ最終話。

つまらなくはなかったけど、シリーズ最終話的なカタルシスはなかった。
起こってることの割りに反応が淡々とし過ぎてる感じ。
脅迫状が届いてるのに、暢気に公開シンポジウムなんて企画してるとかあり得ないと思うけど。
そもそも、脅迫状が届いたことを相談する先が警察じゃなくて厚労省ってのがよく判らない。
更にその厚労省がまた病院(ってか田口に)にそれを戻す。
じゃあ、田口が何か対策取るのかと思ったら、民間の、しかも警備専門でもない人に依頼して結局断られてそのまんまってどういうことなの?
最後に彦根が最悪の事態は防いでくれたからいいようなものの、何か起こるかもしれないことを隠したまま何の対策もせずに大勢の一般人を入れておいて、被害者でも出たらどうしたんだよ、って話だよね。

しかもその大勢の一般客の前で警察も犯人を擁護するような行動を取るとか。
更に出来たばかりの施設が爆発して焼け落ちるとか。
そんな大事件があったら、いくら警察が事実を隠蔽しようとしたって「人の口に戸は立てられない」んじゃないの?

なんかもう、話の内容がアバウトすぎてなんだかなーって感じだったな。

最終話にしては白鳥の影が薄すぎるのも気になった。
(いきなり天馬がキーパーソンになってるし!)
そして何よりシリーズ全部読んで、覚えてないとよくわからない展開がね。
シリーズとはそういうものなのかもしれないけどさ。

最後、明るい雰囲気で終わったのは良かったけど、あの状況で明るくいられることになんか違和感が残るな。
病院には物語に絡まないたくさんの人がいるだろうに…。

他にも謎が残りまくっているので(小百合が死んだのかどうかも不明とか)、多分続きが出るような気がする!

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2014/07/27

隆慶一郎/柳生非情剣

新装版 柳生非情剣 (講談社文庫)

剣に生きる一族に生まれた柳生連也斎、友矩、宗冬、十兵衛、新次郎、五郎右衛門の5人それぞれを主人公に、骨肉相食む人生を描いた短篇集。

短編ごとに主人公と視点が変わるので、同じ人物でも物語が変わると別の側面が見えてくるのが興味深かった。

それぞれ40ページほどの短編だけど、状況や人物、心情などが息苦しささえ感じるくらい丁寧に描かれていて強い余韻を残す作品集。
肉親との戦いの中に生きた4人に対し、自分を逃がそうとした高弟の息子のために鬼神のように戦い戦場で死んでいった五郎右衛門が印象に残った。

柳生っていうと十兵衛くらいしか知らなかったけど、他にも剣の天才をこんなにも輩出していたのね。
しかもこの5人はそれぞれ兄弟、従兄弟、そしてその父親あるいは伯父という非常に近しい関係。
天才的な遣い手なんて何十年に1人くらいしかいないようなイメージだったけど、こんなに短期間に同族から何人もの名だたる名人が出ていたということに驚く。
といっても、少なくともこの作品中の彼らは剣の天才だからといって決して幸せではなかったようだけど。
剣は殺戮の道具だからそれもまたさだめってことなのかな。

<収録作品>
慶安御前試合(柳生連也斎) / 柳枝の剣(柳生友矩) / ぼうふらの剣(柳生宗冬) / 柳生の鬼(柳生十兵衛) / 跛行の剣(柳生新次郎) / 逆風の太刀(柳生五郎右衛門)

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2014/07/13

森炎/あなたが裁く! 「罪と罰」」から「1Q84」まで 名作で学ぶ裁判

あなたが裁く! 「罪と罰」」から「1Q84」まで

東大法学部卒業、地裁の裁判官を経て現在は弁護士という経歴の著者による「映画や小説の名作の中で起きた事件を実際の法廷で裁くとどうなるか」という内容の本。

内容が丁寧、かつ簡潔でわかりやすい。
「(裁判員制度の導入により)「一億総裁判官」時代の到来を受けて、市民が真に気軽に楽しく読めて、なおかつ刑事裁判の全体像が自然に判るように工夫した」本とのことで、その目的にあった内容、文章で読みやすく勉強になった。

事件とかの内容を読むとどうしても加害者側の性格、生い立ち、日常の生活態度などを加味して考えがちだけど、実際の裁判ではそういったことはあまり重視されないらしい。いわゆる「罪を憎んで人を憎まず」ってことなのかな。
でも一般人としてはなかなかそう割り切って考えるのは難しいと思うんだけど。そういう心理や知識をきちんと学んだ人がやるからこその裁判なんじゃないの?と思うので、やっぱり裁判員制度には疑問しか残らないな。

「ウエストサイド物語」から「1Q84」まで全部で24の映画、小説作品が取り上げられているけど、裁判の内容以上に特筆すべきは「その作品のあらすじの説明がすごく上手!」ということ。
簡潔にサラッと書いてあるけど、非常に解りやすくそれでいて物語の本質的な部分も見えるいい文章だった。
他の作品を題材にしたものも読んでみたいな。
続編希望。

イラストレーターのたなか鮎子さん( http://www.ayukotanaka.com/ )によるカバー+扉イラストも印象的。

刑事裁判は決して人間性自体を裁くものではありません。刑罰は倫理や道徳とは違うのです。裁判でモラルを押し付けるようなことになってはいけません。裁判所は世間的なモラルとは一線を画さなくてはならないのです。(p127)

刑事裁判は、あくまで、検察側の立証が十分かどうかを判断するものです。検察側と被告側のどちらの言い分が正しいかを判断するものではありません。(p220)

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2014/06/20

門井慶喜/ホテル・コンシェルジュ

ホテル・コンシェルジュ

京都にあるホテルのベテランコンシェルジュと新米フロント係がスイートルームに長期滞在する財閥のぼんぼんの持ち込む厄介事を解決する連作短編集。

門井さんの作品はテーマは面白そうで興味を惹かれて読み始めるんだけど実際に読んでみると「なんか違う」と思うことが多い。
残念ながらこの作品もそうだった。

まず何よりも桜小路がスイートに長期滞在している理由が納得出来ない。
「留年を繰り返している大学を卒業するために甘やかされている自宅を出て勉強に専念する」という理由付けだけど、その割に勉強しているような気配はなく、適当で優雅な生活を送ってるようにしか見えない。
しかもその滞在によって生じる月に100万円以上にもなる費用をお金に細かそうな伯母さん(桜小路の父の姉)が出しているというのも。
あの伯母さんならもっと効率的な方法を考えそうなものだけど。
あと、そんなお金持ち一族の惣領息子であるにもかかわらず、ホテルのコンシェルジュの存在も知らなかったというのも。
そんな具合に設定に全然納得出来ないまま進むのでずっと気持ち悪かった。

探偵役のコンシェルジュ・九鬼の人物設定も最初から「有能」としてしまったがためにステロタイプの無個性な人になってしまったような気がする。
他の登場人物(助手役の新人フロント・麻奈、桜小路の伯母のあき子など)も共感出来る登場人物がいなくて残念。

タイトルから、もうちょっと落ち着いた雰囲気の重厚な物語を期待してたんだけどな。

<収録作品>
みだらな仏像 / 共産主義的な自由競争 / 女たちのビフォーアフター / 宿泊客ではないけれど / マダムス・ファミリー

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2014/02/25

神護かずみ/石燕夜行 輪入道の巻

石燕夜行 2    輪入道の巻 (角川文庫)

シリーズ2作目。

面白かったけど1作目ほどのワクワク感はなかった。
石燕と鏡花がつるんでるシーンが意外に少なかったのが残念。

前回出てきた蛇座頭と蛭法師が再登場。
前作よりも「悪い奴」オーラが減っていたような感じ。
確かに悪役ではあるけどその中に間抜けな部分や臆病な部分などが見え隠れしていた。
前作で出てきた時はもっと圧倒的な悪役のようなイメージだったのでちょっと意外な感じ。
更に悪人には悪人なりの義理があるといった感じのまめまめしさもあってそれが面白かった。
あと妖猫の双尾丸が可愛かった♪

話が進むにつれて石燕を縛っていた鎖が一つづつ解かれていく。
鎌倉での想いを解き放った石燕はこれからどうなって行くのかな。

逆に鏡花は謎が一つづつ解き明かされるごとに、彼の持つ闇が深くなっていく感じ。
このあと鏡花と石燕が対立するような流れにならなければいいけど。

今回の表紙は鏡花みたいだけど…ちょっとイメージ違うな。

<収録作品>
妖笛の巻 / 夜叉椛の巻 / 輪入道の巻

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2013/01/29

池永陽/珈琲屋の人々

珈琲屋の人々

生家のある商店街の土地を買い取るために悪どいことを繰り返していた地上げ屋の男を殺してしまった過去を持つ行介。
8年の刑期を終え出所した後、地元に戻り父親の跡を継いでマスターを務める「珈琲屋」での客と行介との交流を描く連作短編集。

う~ん、なんていうか「昭和」な雰囲気の作品だった。
よく言えばノスタルジック、悪く言えば古臭い。
だいたい主人公の行介の話し方とか、考え方からしておっさん臭すぎる。
同級生だという冬子も島木も含め30代後半には見えないなあ。
せいぜい50代前半って感じ。
あと「心を忘れた少女」に出てきた女子高生もなんとなく今時の女子高生って感じではなかったし。
かと思うと「すきま風」に出てきたじいさんたちはまるで中学生みたいだし。
なんとなく設定の焦点が合っていない感じがして、読んでいて居心地が悪かった。

それに、登場人物がほとんどみんな自分勝手すぎる。
なんでみんな自分の都合だけで行介に戦いを挑みに来るの?
そして何故行介はそれを受けるのかも謎。
最後の話では「あんたは柔道でインターハイに行ったんだから俺は道具を使う」って匕首を出してくるってあり得ないでしょ(^^;
しかも、そうは言いつつも最後は収まるところに収まってまるく終わるのかと思いきや、あんな結末…。
まあ、確かに「人生は続く」というエンディングではあったけども、納得は出来なかった。

<収録作品>
初恋 / シャツのぬくもり / 心を忘れた少女 / すきま風 / 九年目のけじめ / 手切金 / 再恋

イラストレーター中川学さんによる表紙イラストは味わいがあって素敵。

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2010/08/11

読書感想文を書くためのお役立ちサイト一覧

以下に紹介したのは全て外部サイトです。
特に【感想文コピー可】のサイトについては、どのサイト様も利用にあたっての条件が提示してありますので、それをよく読んでその範囲内で利用してください。
ご利用はすべて自己責任でお願いします。
不具合、トラブルが生じても当方では責任を負いかねますのでご了承ください。

【感想文の書き方】

こうすれば書ける読書感想文
読書感想文の書き方
読書感想文の書き方(「がんばれ中学受験生!」内)
~先生が悦ぶ読書感想文の書き方のコツと傾向と対策~児童・生徒のための読書感想文の書き方教室
読書感想文<書き方・例文>大百科!
あなたにも出来る!宿題★読書感想文
1行読むだけで読書感想文を書く

【感想文コピー可】

著作権フリー!![自由に使える読書感想文]
著作権フリーの読書感想文!!
~児童、そして生徒のための~自由に使える読書感想文
tanabeebanatの読書感想文倉庫

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当ブログの記事は【著作権フリーではありません】!

アクセス解析を見ていたら、リファラに「Yahoo!知恵袋」のアドレスがあるのを発見。
何となくイヤ~な予感を抱きつつリンク元の質問を見に行ったところ…とんでもないことになっていました(泣)

やばい!!遊びすぎていたら読書感想文書くのわすれてた 誰か書いたやつ丸々うつさせてもらえませんか。

この(↑)質問に「ここにたくさんあります」ってことでこのブログのアドレスが貼ってあったのですorz 
私はこのブログの記事が「著作権フリーだから丸写ししても大丈夫」なんて一言も言った(書いた)ことありませ~ん!(T_T)

貼ってあったアドレスは読了本のインデックスページだったので、確認後すぐに「下書き」に変更。 
取り敢えず該当ページにはアクセス出来ないようにしておきました。
ブログ本体に来られちゃえば、バックナンバーからでも検索からでも記事は呼び出せちゃうけど、直接のページがないだけでも少しは違うでしょう。
トップページのアドレスが貼られてなくてホントによかった…。

でも、実際問題として、私がこのブログで書いているような感想って、学校に提出する読書感想文としてはふさわしくないと思うんですよねえ。 
構成とかなにも考えずに感じたこと(面白かった、つまらなかった)をダラダラと書いているだけだし、ネタバレしちゃまずい部分はかなりぼかして書いたりしてるし。
(なので自分でも後から読み返すと何について書いてるのか判らない場合も多々あり(笑))
それに最近は文字数もかなり少ないから既定の枚数にはとても足りないと思います。
だいたい、自分が学生の頃も読書感想文が得意だったわけでもないので、今更人に使ってもらえるような感想文が書けるわけもありませんw

「知恵袋」の質問の回答からこのブログに辿り着いた方、記事を読んで頂けるのは嬉しいですが、「パクって自分の感想文として使う」のが目的ならこちらにはそのような内容の記事はありません。

改めて宣言しておきますが、

このブログの記事(文章、管理人撮影の画像)の著作権は放棄していません。 
適切な範囲の引用は問題ありませんが、それを超える文章、画像の転載・流用はご遠慮下さい。

よろしくお願いします。

でも、どうしてそういう誤解が生まれているんだろう? 
世の中にブックレビューを書いていらっしゃるサイトやブログなんてたくさんあるのに何故うちのアドレスだけが紹介されちゃったの?
…やっぱり、この(↓)記事のせい?

「自由に使える読書感想文」というサイト

でも、この記事は「このブログのことではなくて、他のサイトのこと」だし、読んでる人にもそれがすぐ判るように書いたつもりなんですが…。 
もしそれが伝わっていなくて誤解されているのだとしたら、それだけでも私の文章力の無さが証明されてそういう意味でも私の文章は感想文としてパクるには相応しくないってことかと。

あ、自分で書いててちょっと凹む…(泣) 
もっと精進しよう!

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2007/08/25

本を(殆ど)読まずに読書感想文を書く方法

8月も残すところあと1週間。
夏休みもあとわずかですね。
(場所によってはもう新学期が始まってるところもあるのかな?)
宿題は終わったでしょうか。

うちのブログで8月に一番アクセスがあるのはこの↓記事です。

「自由に使える読書感想文」というサイト

2年前に書いた、他人様のサイトを紹介しただけの記事なのに、夏休みをはじめとした学校の長期休暇の時期には検索サイト経由で本当にたくさんのアクセスを頂いています。
みなさん、やはり「読書感想文」に悩まされているんですねえ…^^;
この夏休みも右サイドバーの「最近のアクセス状況」を見ていただけば判る通り、他の記事とは文字通り「桁違い」のアクセス数を叩き出しています。
ありがとうございます(^^)

そのお礼に…ということでもないのですが(笑)、「もう本を読んでる時間がないよ~!」という人のために『本を読まずに感想文を書く方法』を考えてみました。
※但しこれはあくまでもネタですので、マネした結果について責任は持てませんのでご注意下さい。

では、いきます。

  1. どの本で書くか決めるまでの経緯を書く
    「本屋に何度も行った」「ネットで検索した」「図書館に通った」…などなど。
    どんなに悩んだかを切々と訴えてみる。
    プラス、それでもなかなか決まらなかった理由も書く。
    その1冊を発見したときの喜びを書いてみる。 
  2. 本が決まったら何故その本にしたのかを書く 
  3. その本のタイトルについて書く
    タイトルから思いついたこと、思い出したことなどがあればどんどん書く。
    例えば難しい言葉のタイトルだったら「最初どういう意味か判らなくて辞書で調べたら○○って意味だった」とか。
    小さい頃の思い出に結びつくようなことが出てきたら、そのままどんどん書いていく。 
  4. 表紙について書く
    タイトルとの相性(「このタイトルにこの表紙ってイメージ違う」「イメージ通り」)とか、表紙だけを取り上げて一つの「作品」として感想を書いてしまったり。 
  5. タイトル(+表紙)から想像した物語を書く
    「このタイトルとこの表紙から、こんな話ではないかと想像してみた」という感じで勝手に話を作って書いてしまう。
    (これはかなり危険な手かも^^;) 
  6. 上に書いた想像の話と実際の物語の違いについて書く
    「本は読まない」けど、全く内容について触れないのも何なのであらすじくらいは読みましょう。
    Web書店の紹介ページには大抵あらすじが載ってます。
    それを読めばアウトラインくらいは理解できます。
    それを利用して「実際は○○が△△する物語で私が考えていたような××ではなかった」といった感じ。
    (当然違っているはず。同じだったらスゴイ!(笑)) 
  7. あらすじから感じたことを書く
    短いあらすじの中にも気になる言葉はあるはず。
    そこから思いついたこと、思い出したことを膨らませて書いてみる。
    また、実際の内容について書くことで信憑性が増す(かも)。

ここまでは実際の本がなくても大丈夫。
ネットや雑誌の書評などでその本のタイトルと表紙とあらすじだけあれば書けます。
ここまでで、原稿用紙4~5枚にはなるんじゃないかなあ…。
(ちなみにこの記事の文字数は1800字弱。400字詰め原稿用紙で4枚半くらいです)

ただ、私としてはやはりちょっとでも読んでもらいたいので、せめて最後の5~10ページくらいはなんとか読むことをオススメします。
大抵の本はそのくらいがクライマックスで結構重要で心に残るシーンが描かれているものなので、その中から気になった言葉を抜き出して引用してみるとポイント高いですね。
「主人公が最後に呟く『○○○』という言葉が心に残った」とか。
(ありきたりだ…^^;)

ということで、以上「本を(殆ど)読まずに読書感想文を書く方法」でした。
前述したようにあくまでも「ネタ」なのであまり真面目に取られても困るのですが、「頑張って書いたけど枚数に足りない~」という時の参考くらいにはなるかもしれません。

これ以外でも中に書いてある物語だけでなく「本」全体をよ~くみてみると案外書けることってたくさんありますよ。
本文の文字の大きさとか、フォントとか、紙質とか、ページ数とか、登場人物のネーミングとか、奥付の書き方とか、第何版だとか、帯の文句や誰が書いてるかなどなど。
あと、作家の経歴(ネットで調べてみよう!)とか、名前(ペンネームの由来とか)を切り口にするのも面白いかも。
私がいつも気になるのは「著者近影」かな。
内容を読まない分(笑)他の部分を必死で見れば、何かあなただけの視点がみつかるかもしれません。
読書感想文が無事に書き上がることを祈ってます♪

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2005/11/13

「自由に使える読書感想文」というサイト

<’10/08/12 追記>
この記事で紹介しているのは外部サイトであり、当ブログとは関係ありません。
当ブログ内の文章の著作権は放棄していません。
適切な引用の範囲を超えた転載、流用はお断りいたします。


読書感想文の書き方についての記事をお探しなら下記ページも参考にしてください。

読書感想文を書くためのお役立ちサイト一覧


なんだかスゴいサイトを発見してしまった。

~児童、そして生徒のための~自由に使える読書感想文
※サイトアドレスとサイト名が変更になっていましたので修正しました。('12/07/23)

小学生・中学生(一部高校生含む)向けに書いたオリジナルの読書感想文。このままパクるもよし。少しアレンジしてオリジナルの読書感想文に仕上げるもよし。今年の夏休みは宿題の読書感想文から解放されたい君たちのために、学校提出用に限り著作権フリー(つまりパクリ・コピペOK)、自由に使える読書感想文を大公開!

「パクリ・コピペOK」って…この思い切った発想が凄い^^;

確かに読書感想文って夏休みの宿題の中でもトップ3くらいに入るくらいやっかいなものだと思う。
私も苦手だった。
読書は小さい頃から好きだったけど、ただ「本を読む」のと「後で感想を書くために読む」のでは全く別だと思うし、大体(今もそうだけど)人から読まされる本が面白かった試しがないから課題図書*1は読み切るだけでも一苦労だったし。
それにその頃は(読むことはともかく)今ほど文章を書くことに慣れていなかったから、たとえ自分が好きな本の感想だったとしても上手く書いたりは出来なかったと思うな。

大体、学校の先生って毎年夏休みで簡単に「宿題ね」って読書感想文を書かせるけど、それを書くためのノウハウを児童・生徒に教えてくれたっけ?
私はあまり教わった記憶がないんだけど…。
国語の授業受けてれば書ける、ってことなのかな。
でも、そんなに簡単じゃないでしょう、読書感想文って。

このサイトにある感想文を私も一通り読んでみたけど、感想は一言「巧い」。
本の内容だけじゃなくて自分の経験を織り交ぜてその本の登場人物の行動や感情と共感したり比較したりする感想文って、読めば巧いし面白いと思うけど実際に書こうと思ってもなかなか書けないと思う。
しかも、いきなり本のことじゃなくて自分の経験から入るというのはかなり高等技術なのではないかと。
もちろん書いたのは文筆のプロである*2主宰者さんなんだから巧いのは当然なんだけど、同時にこれは    「小中学生がそのまま学校に提出するかも知れない」感想文でもあるわけでしょ?
で、ここを利用しようと思う子どもは、感想文(というか作文)があまり得意じゃない、って前提があると思う。*3
そういう子って作文だけじゃなくて、普段の授業でもそんなに文章書いたり、自分の考えをまとめたりすることがうまく出来ないんじゃないのかな。
そのくらい先生だって判ると思う。
それなのに、いきなり夏休みの宿題にこのレベルの感想文を書いてきたとしたら「ホントに自分で書いたの?」って普通に思いそうな気がするけどな~。
それから、サイトの注意書きに「コンクールに応募してはいけない」って書いてあるけど、自分(子ども)は応募するつもりがなくても感想文の出来がいいと先生が勝手に応募しちゃうケースもあると思う。
そんなことになったら、子どもはいてもたってもいられなくなっちゃうだろうなあ。
まあ、その辺も全て含めた上での「パクリ・コピペがばれても、自己責任」なんだろうけど、小学生がそこまで理解した上で使うのかどうかがちょっと不安。

確かに何かを覚えるときに巧い人のものを「コピーする」というのは上達するための近道であると思う。
例えば音楽やる人なんか最初は好きなミュージシャンのコピーから入る人多いと思うし、マンガとか絵画もそうでしょう。
私も会社入ってから書くようになったビジネス文書なんかは、前に書いた人の控えを見て巧い文章をパクリまくっていたし。
そこで技術や考え方の基礎を築いておくことで、その上に乗せる自分のオリジナル要素を自由にアレンジすることが出来るようになるってことだよね。

でも同時に危険なのは、そのコピーの対象があまりにも力がありすぎると、そちらに引っ張られてしまって“自分” がなくなってしまうこともあるってこと。
私も本の感想を書くときになんて書いたらいいのかまとまらないときよそのブログやサイトに載ってる感想を読みに行ったりする。
それがいい刺激になって自分の感想がまとまることもあるけど、却ってその人の感想に影響されすぎて自分が思ったこととは微妙にずれたことを書いてしまうことも実は結構多い。
自分の感想を書く前に人の感想を読むのは自分の考えに自信がないときが殆どなので、つい強い方に流されてしまうのだ(汗)
でも、さすがにその相手の感想をパクろうとは思わないけどね。
私がやってることは所詮お遊びだから書けないと思えば書かなきゃいいだけの話。
私がどんな感想を持とうと誰も損も得もしないし、困りもしない。
もちろん、私自身も。

でも、「夏休みはもうすぐ終わっちゃうけど、感想文が書けてない」って焦ってる子どもたちにとって「宿題が終わらない」ってことはかなり大きな問題なのでは。
私がそんな小学生だったら、そうしたときにこんなページを見つけちゃったら思わず「ラッキー!」と叫んで書き写しちゃう…と思う。
サイトの注意事項とか全然読まないで。
で、あとでバレて大変なことになる…可能性も高い。
そしてもしバレなかったら「なんだ、自分で考える必要ないじゃん」ってその後も安易にコピペに走ってしまうかも知れない。

私は別にこのサイトの発想について悪いとは思わないけど、そういう危険性があることはちょっと心配。
特に主宰者の方は著作業が本職のようなので、もう少し「著作権」についての注意があってもいいと思う。

でも、「コピペしていいよ」と言いながら感想文が載っているのが普通のWebページではなくPDFファイル化してあって、しかもそこからはコピー不可、更にウォーターマークでサイトのURLが入っているのでそのまま印刷して提出することも出来ないようにしてあるのをみると、主宰者さんも 「そう簡単には使わせない」と考えていることが判る。
結局これを参考に自分で手書きする(またはパソコンで打ち直す)しかないわけだ。*4
パソコン上で手軽にコピペ出来てしまうと「これでいいのかどうか」といった思考が停止してしまうことがあるけど、自分の手で書き直すのであれば「この部分はこのまま書いたら変だな」と考える余地が生まれる確率も高い。
そこから自分の発想や、経験の記憶が追加され修正されてオリジナルの感想になっていくことも期待できる。

選択してある本もそれらしいし、それぞれの本についている「感想文を書くときのポイント」(どう書けば先生に誉めてもらえるか)も的確で面白い。*5
きちんと主宰者さんの意図を理解した上で利用する分には面白いサイトだと思う。*6

みなさんもご利用の際は「使用条件」を充分に理解してから使いましょう。


【'06/10/03追記】
今更1年近くも前の記事に追記するのも何だけど、休みのたびにかなり参照されているようなので念のため。

たまたま見ていたQ&Aサイト(「OK WAVE」)にて、著作権フリーの感想文サイトの感想文をそのまま引き写した結果騒動になってしまって「どうしたらいいでしょう…」という質問を発見。
QNo.2448864 読書感想文がかぶった・・・
これはかなりのレアケースだとは思うけど^^;世の中何が起こるか判らないので、利用する人は何かあったときはちゃんと自分で責任を取る覚悟が必要かと改めて思います。


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  1. 私が子どもの頃は殆ど全て「課題図書」だった… と思う。
  2. 主宰者さんは予備校講師、 出版社の編集を経て現在はフリーライターをしている方らしい。
  3. 中には「書こうと思えば書けるけど、 かったるいからどこかに素材になるものがあればパクっちゃえばいいや」   な子もいるかもしれないけど。
  4. もしかしたら、もっと他に方法があるのかも? 私には思い浮かばないけど。
  5. 思わず清水義範の   「国語入試問題必勝法」 を思い出してしまった(笑)
  6. もしかしたら、好きでもない本を勝手に渡して 「じゃあ、 これで感想文書いてきてね~」   って丸投げしてくれる学校側よりも誠意があるのでは?とも思ってみたり…。しかし、   私が子どもの頃は考えられもしなかった方法だな~^^;

ページ内リンクでコメントを入れてみたけど、設定するのが面倒くさい…。
しかも使い易いかどうかも微妙かな?

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