カテゴリー「文化・芸術」の36件の記事

2013/03/09

奇跡のクラーク・コレクション展@三菱一号館美術館

大手町の三菱一号館美術館で開催中の「奇跡のクラーク・コレクション-ルノワールとフランス絵画の傑作-」展を観てきた。

クラーク・コレクションとはシンガーミシン創設者の子孫である大富豪のアメリカ人クラーク夫妻が収集した美術品で、通常はアメリカ東部マサチューセッツ州の「クラーク美術館」に収蔵されているとのこと。
今回はその中から選りすぐりの近代フランス絵画を中心にした73点が公開されている。

ルノワールを始め、ミレー、モネ、コロー、ロートレック、ドガ、ピサロなど「私でも知ってます」的な有名な画家の名前が目白押し。
しかも大きさも内容もしっかりした、さらにあまり日本では一般的に知られていない作品ばかりだったのでどれも非常に見応えがあった。

以下、印象に残った作品について。

  • モネ『エトルタの断崖』
    断崖に映った光と影、さらに海と空の色合いがすごく綺麗だった。
  • モネ『ジヴェルニーの春』
    柔らかで華やかな色彩があふれていて、まさに「春」という感じ。
    見るだけで心が浮き立つ作品。
  • マネ『花瓶のモスローズ』
    ガラス製の花瓶に活けられたピンクの薔薇を描いた小品。
    力強さと繊細さ、可愛らしさが同居していてずっと観ていたくなる作品。
    死の1年前、体調を崩している時期に描かれたらしいけど、そうした弱々しさを全く感じさせない。
  • ドガ『稽古場の踊り子たち』
    横長のキャンパスに描かれたバレエの稽古場と若いバレリーナたちの姿。
    奥行きと活気、そして僅かな倦怠感を感じる作品。
  • ジェローム『奴隷市場』
    中央に描かれた奴隷として売られていこうとしている若い女性の美しさが印象的。
    奴隷として描かれているのに、卑屈さは全くなく裸身を晒して艶然と微笑む様子は女王のように見えた。
  • ジェローム『蛇使い』
    蛇使いの全裸の少年の後ろ姿がすごく綺麗。
    その様子を興味津々で見守る観客たちの表情や仕草も克明で思わず目を惹きつけられた。
    背景の壁や床の装飾も細かくて美しかった。
    ジェロームも印象派なのかな?
    印象派の作品はもっと輪郭が曖昧なイメージがあるけど、ジェロームの作品はあくまでリアルで繊細なのでちょっと違う感じ。
    でも私はこういう作品のが好きかも。
    あ、この作品は以前どこかで見たことあるなあ。
    「A Roman Slave Market」
  • ブグロー『座る裸婦』
    このブグローの裸婦もすごくリアリティがあって美しかった。
    ポーズによる筋肉の動きや肌の質感、色など、本物よりも本物っぽい感じ。
    しかも大きな画面いっぱいに裸婦が描かれているので迫力があった。
  • ルノワール『テレーズ・ベラール』
    青と白を基調にして描かれた少女の肖像。
    明るい青と紫で彩られた背景の色合いが美しかった。
    モデルの少女は「着てる服がダサい」という理由でこの絵を気に入らなかったとか(笑)
    絵の中ではとても知的でそんなふうなことを言いそうな感じではないんだけど、それはルノワールの理想なのかな。
  • ルノワール『鳥と少女(アルジェリアの衣装をつけたフルーリー嬢)』
    少女の全身像。
    青や緑を基調とした濃い背景に、淡い明るい色の衣装をまとった少女がくっきりと浮かび上がっていて美しかった。
    少女が鮮やか過ぎて鳥の印象があまりないな…(汗)
  • ルノワール『縫い物をするマリー=テレーズ・デュラン=リュエル』
    背景の緑と少女が被った赤い帽子のコントラストが印象的。
    一心に縫い物をする少女の真剣な表情も素敵。

こんなにたくさんの名品を他の美術館に貸し出しちゃって元の美術館は大丈夫なの?とちょっと心配になったけど、クラーク美術館は現在増改築中でその間のみの世界巡回とのこと。
これが終わるとあとはニューヨークやボストンから車で3時間(ってどのくらい遠いの?(^^;)行ったところにある本家まで行かなくちゃならないらしいので、この機会に是非。

会期は5月26日まで。
「奇跡のクラーク・コレクション」公式サイト

会場の三菱一号館美術館は今回初めて行ったけど、ちょっと変わった構造の美術館だった。
美しいレンガ造りの建物の中の2階と3階が展示室なんだけど、(美術館としては)小さい部屋と廊下の中に数点ずつ作品が展示してあって、そこを巡りながら作品を見ていく構成。
なんとなくどこかのお家におじゃましているような雰囲気だった。
ただ、混んでいるせいもあってかちょっと落ち着かない部分もあったかな。
それと思ったより展示室が多くてあちこち出たり入ったりするので、展示品を見ているときはよかったけど最後出た後でロッカーの場所が判らなくなってしまいウロウロしてしまった(^^;

展示されている作品はすべて額装され、保護用のガラスが掛けられていたんだけどそのガラスに照明が反射していないのがよかった。
美術館によっては時々、光が反射するだけでなく見てる観客の姿まで映り込んでしまい自分で見る位置を探さないと作品が見えないという場合もあったりするので、そういう点でストレスなく作品に集中出来るのはありがたい。
みんなこういう展示だったらいいのになあ。

今回の展覧会用の音声ガイドに特別ゲストとして黒柳徹子さんのチャンネルがあったんだけど、最初の挨拶を聞いたら滑舌がすごく悪くて(特にラ行とサ行)いたたまれない気分になってしまいそれ以上聞けなかった。
幸い普通の作品解説は他の人だったので問題なかったけど…。
TVなら平気なのかもしれないけど、イヤホンであれを聞くのは(失礼ながら)ちょっと勘弁…という感じ。
黒柳さんももうお年だから仕方ないのかなあ。

mitsubishi1goukan美術館の中庭には花や木の植え込みを巡る小道にベンチがいくつも設置されて散策や休憩が可能。
また、その周りにはカフェや雑貨屋さんも。
ここのカフェも評判がいいので寄ってみたかったけど、その前にお茶をたくさんいただいてお腹が空いていなかったので今回は残念ながらパス。
楽しみは次回に取っておこう。

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2013/02/09

白隠展@Bunkamuraザ・ミュージアム

130209hakuin渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「白隠展 禅画に込めたメッセージ」を見に行ってきた。

白隠慧鶴(はくいん えかく)は江戸中期の禅僧で臨済宗の中興の祖と言われる人物、とのこと。
白隠禅師本人のこともその作品も全然知らなかったけどとても面白かった。
力強く大胆で自由な筆致で描かれた禅画は今から300年前の作品なのに全然古くないところが凄い。
画風もそうだけど、絵の具(というか墨)自体もかなり鮮やかに残っている作品が多く、古びた印象がなかったのが意外だった。
堅苦しいところがなくておおらかな画風とひょうきんなテーマで見ているとついニコニコしてしまう。
書も力強く直線的な文字で、ちょっと広告用のPOP文字みたいな感じだった。
しかも筆で一気に書いたのではなく輪郭を書いてその中を塗りつぶしている作品とかもあって、びっくりした。

禅宗(臨済宗)についても禅画についても知識がないのでそこに込められたメッセージまで感じることは出来なかったけど、何となく「難しいもの」「古臭いもの」と思っていた禅画の楽しさ、自由さに触れられただけでもいい経験だった。

会場内は少し混雑していたけど一つ一つの作品が大きめだからかあまり1箇所に集中することがなく自然にゆったりと人が流れていたので、ほとんどストレスなく見て回ることが出来た。
イヤホンガイドは俳優の井浦新さんと大学教授の山下裕二さん。
山下さんの解説が妙におかしかったw

それにしても白隠さん、300年前(1685年生まれ)の人なのに84歳まで生きたらしい(*_*;
しかも絵を本格的に描き始めたのは60歳を過ぎてからで、死の直前まで絵を描いていたとか。
パワフルだなあ。見習いたい。

会期は2月24日まで。
白隠展公式サイト

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2013/01/20

新春浅草歌舞伎@浅草公会堂

1月19日 土曜日、浅草に新春浅草歌舞伎を見に行ってきた。

開演は午後3時からだったけど、友人が会社の福利厚生を通してランチクーポン付きのチケットを取ってくれたので、11時に待ち合わせしてランチとちょっとだけ周辺をぶらぶらしてから会場に向かうことに。

ランチは20店くらいのお店から選択できるシステム。
同行の友人の希望で洋食屋の「ヨシカミ」さんへ。
行列が出来るほどの人気店と聞いていたけど、実際11時半ちょっと前にお店についた時には既に10人以上の人が並んでいた。(開店は11時45分)
カウンターが15席くらいと、テーブルが4つくらいのこじんまりしたお店が開店と同時に満員。
ホールから上がってくる注文を7~8人の厨房スタッフが手際よく次々に仕上げていく姿が印象的だった。
ランチクーポンは出てくる料理が決まっていて、私達がいただいたのはサラダとコンスープ、ナポリタンさらにお店の名物料理でもあるビーフシチュー。
先にナポリタンが出てきたので「やっぱりクーポンだとこのくらいなのかな」とちょっと残念に思っていたら後からビーフシチューも出てきたのでビックリ。
浅草・ヨシカミのビーフシチューシチューはお肉が柔らかくて美味しかった~♪
ナポリタンもちょっと甘目の懐かしい味だった(^^)
多分シチューは通常よりも小さいサイズだと思うけど、ナポリタンもあるので量はかなりたっぷり目。
充分頂いた後、食後にはコーヒーまでついて大満足だった。
オムライスも美味しそうだったので、今度また食べに来たいな。

食事が終わったのがちょうど1時。
開演まで2時間あるので、この時間を利用して東京スカイツリー下の「ソラマチ」まで行ってみることに。
この日はお天気がよくて風もなく暖かい休日で浅草も歩くのが大変なくらい多くの観光客が出ていたけど、ソラマチも同じくらいの賑わいだった。
今までいろんな場所からスカイツリーは見てきたけど、こんなに近くまで来たのは初めて。
スカイツリー真っ青な空を背景にスックと立つスカイツリーが綺麗だった。
展望台に昇るには予約券が必要で、私達が行った1時半の時点では当日の3時半の予約券が販売中。
晴れ渡って雲も風もなくてちょうどいい天気だったけど、この後の予定があるため残念ながら今回は下から眺めるだけで、あとは「ソラマチ」の散策に。
飲食店や雑貨屋さん、洋服店など多くのお店が入っていてどこも賑わっていた。
特に飲食店は(時間的なものもあるかもしれないけど)行列ができているところが多かったな。
ニュースで「スカイツリーが出来ても、地元の商店街には人が来ていない」というのを読んだけど、すぐ足元にこれだけのお店が入っていたらなかなかその先には出て行かないのも無理はないかも。
ただ、お店の中身がスカイツリーや下町として特徴的なものもある反面、ちょっと大きな街ならどこにでもありそうなお店も多かったのも事実。
どこにでもあるお店を入れるならもう少し地元との共存を考えるべきだったのでは。
でも個人的には水族館とプラネタリウムが気になるな~。
次に行く時には寄ってみたい。

2時過ぎにスカイツリーを後にして再度浅草に。
浅草公会堂に向かい、3時からの午後の部を鑑賞。
演目は「毛谷村」「口上」「勧進帳」。

「毛谷村」は仇討ち話の一場面。
全体の設定は結構シリアスみたいだけど、この場面はコミカルで楽しかった。
お園が主人公の六助に身の上を打ち明けるあたりの三味線の使い方が特徴的で面白かった。
この演目での海老蔵は杣斧右衛門という役。
事前にちらっとだけ見ていったあらすじではあまり記憶になかった名前なので「誰だっけ?」と思ったら、最後のほうに「母親を殺された」と六助に助けを求めに来る木こりだった。
ぶっとい眉毛を付けて顔を真っ黒にした田舎者スタイルで登場する海老蔵に笑いが起きていた。
弥三松役の子が可愛かった(^^)

次は浅草歌舞伎は14年ぶりの登場となる海老蔵の「口上」。
市川家代々の新春の年中行事である「睨み」を披露してくれた。
(これを見ると今年1年無病息災でいられるとかw)

最後の「勧進帳」は力強く、迫力があった。
緊迫感のある前半と、一転リラックスした後半の緩急がいい。
武蔵坊弁慶役の海老蔵は睨みとか見えとかの型はカッコいいなあと思うけど、どうも声の出し方があまり好きじゃなかった。
「口上」のときもちょっと早口で聞き取りづらいなあと思ったけど、弁慶のセリフも(そんなに早く喋ってないのに)声がこもって綺麗に響いて来ない感じ。
滑舌の問題なのかしら?

それにしても歌舞伎は面白いけど、更に楽しむにはやっぱり予習が必須だなと思った(^^;
今回も見る前にネットでチラッとあらすじだけ読んでいったけど、全体的な時代背景とか人間関係とかがもう少し分かればもっと楽しめただろうな。

今年は歌舞伎座も出来上がることだし、あと何回か歌舞伎を見に行きたいな。
(ちとお高いし、チケット取るの大変そうだけど(^^;)

浅草公会堂にて 1月27日(日)まで
浅草新春歌舞伎

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2013/01/06

「博物館に初もうで」展~初詣~「あっぱれ北斎!光の王国」展

久々に最高気温が2桁になった今年最初の日曜日、初詣も兼ねてぷらぷらと遊びに行ってきた。

行き先は「博物館に初もうで」展@東京国立博物館(上野)~初詣@日枝神社(赤坂見附)~「あっぱれ北斎!光の王国」展@池袋・西武ギャラリー。

「博物館に初詣」展は東京国立博物館に所蔵されている作品の中から縁起のいい図柄のものを集めての展示。
目玉は国宝の長谷川等伯作「松林図屏風」。
勢いのある筆致と大胆な空白が印象的な作品だった。
混み合うこともなくゆったりとした館内。
順路も気にせずフラフラと2時間ほど巡回してきた。
けっこう写真撮影OKな展示物が多かったのが意外。
重文や国宝級のものでもOKだったりして、たくさんの人が撮影していた。
小学生くらいの男の子が戦国時代の鎧を解説文も含めて撮影していたのが印象的だった。
■東京国立博物館:博物館で初もうで
(1月27日まで。※但し、「松林図屏風」の公開は1月14日まで)
工事中だった東洋館がリニューアルオープンしたとのことだったけど、既にちょっと疲れが来ていたしこのあとも予定を入れていたので残念ながら今日はパス。
ちょうどお昼時だったので隣接している「ホテルオークラレストラン ゆりの木」でランチ休憩。

その後、銀座線で赤坂見附に移動して日枝神社で初詣。
最近は毎年ここでお参りしてお守りを買って帰るのが習慣。
以前は1月後半くらいに来ることが多かったので閑散とした中の初詣だったけど、さすがにまだ5日だと人出も多いし屋台も出ていてそこそこ賑わっていた。
お参りしておみくじを引いて、お守りを買って初詣は終了。

ここから丸ノ内線で池袋に。
そのまま帰ろうと思っていたんだけど、ここまで来て急に池袋西武内のギャラリーで開催されている「あっぱれ北斎!光の王国」展の招待券を持っていることを思い出した。
しかも会期は今日まで。
せっかくなのでちょっとだけ寄ってみることに。
デパートの中のギャラリーのためか思った以上に混雑していてビックリ。
この展覧会は去年行った「フェルメール 光の王国」展同様、その作家の本物(実物)ではなく作品を最先端の印刷技術で再現した作品の展覧会。
なので、会場内は撮影OK。
みんなすごい勢いで写真を撮っていたw
今回展示されていたのは富嶽三十六景と滝を描いたシリーズ。
さすがに実物に比べると奥行きとか繊細さが消えて平坦な印象を受けたけど、それでも色は綺麗に表現されていたと思う。
北斎といえば「神奈川沖浪裏」に代表されるような「青」を基調にした作品が印象的。
他にも「相州七里ガ浜」などほぼ青の濃淡で描かれた作品もあって目を引かれた。
「東都浅草本願寺」の大胆な構図や、桶枠の向こうに小さな富士が見える「尾州不二見原」もよかった。
美術品は実物を見るのがもちろん一番いいけど同じアーティストの作品が一堂に会する機会というのはなかなかないので、こうした技術が発達して手軽に見る機会が出来るのは興味を持つきっかけとしてはいいかもしれない。

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2012/05/01

舞台:ミュージカル『薄桜鬼』斎藤一 篇

ゴールデンウィーク前半最終日の30日、池袋のサンシャイン劇場で「ミュージカル『薄桜鬼』斎藤一 篇」という舞台を見てきた。

劇団も役者もお話も全然知らなかったので正直あまり期待していなかったけど、けっこう面白かった。
もともとゲーム(?)が原作らしいけど、舞台としてきちんとストーリーがまとまっていて全く知識のない私でもわかり易く出来ていたし、前半1時間半、15分の休憩を挟んで後半50分、合計約2時間半の長丁場にもかかわらず、見せ場も多く笑いのテンポもよくて初めてでも最後まで飽きずに見せてもらえた。

でも何より魅力なのは役者さんでしょう。
新選組の話なので出てくるのは1人を除いて全員男性(というより「男の子」)なんだけど、みんなきれいで細くて動きもよくて殺陣もダンスも上手くて、見ていて気持よかった♪

ただ、歌はちと残念だった。
セリフはけっこうちゃんとしてるのに、歌になると急に弱くなってしまい何を言っているのか聞き取れず。
まあそれでも進行上特に問題はないわけだけど、せっかくいいシーンなのに残念だなあというところがいくつもあった。
殺陣をやりながらあれだけ歌える体力はすごいと思うんだけど、個人的には普通の舞台のが良かったな。

対して唯一の女の子千鶴ちゃん役の子は歌がすんごい上手だった!
声も綺麗だし、音程もしっかりしてて高音の伸びが素晴らしかった。
逆に演技的にはちょっとワンパターンだったけど、歌については彼女に救われていた部分かなりあったと思う。

でも、みんな真剣に、それでいて楽しそうに演じているのが印象的だった。
それだけに休日の夕方の公演なのに客席に空きが多かったのはちょっと残念。
チケットがちょっと高い(指定:7,500円)というのもあるのかな。
舞台装置も衣装もクオリティが高いのでそのくらいの値段しちゃうのは仕方ないのかもしれないけど、せめて2階席はもうちょっと値段下げたほうがいいんじゃないのかなあ。

サンシャイン劇場で5/8まで。
「ミュージカル『薄桜鬼』斎藤 一 篇」(公式サイト)

しかし、このサイトの写真だけだとまったく「新選組」が出てくるようには思えないなw
でもこの舞台を見て「浅田次郎の『一刀斎夢録』を読まなくちゃ!」と思ったのだった。
連休終わったら予約しようっと。

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2012/03/03

舞台:Team申 番外公演「朗読劇 幻色江戸ごよみ」

昨日、渋谷パルコ劇場でTeam申 番外公演『朗読劇 幻色江戸ごよみ』を観劇。
宮部みゆきさんの短編時代小説を役者4人が朗読する舞台。
12編の作品の中から毎日3編ずつを上演しているらしい。
3月2日の演目は「器量のぞみ」「神無月」「紙吹雪」の3本。
(「神無月」と「紙吹雪」の2本は毎日固定で、もう1本だけが日によって替わるという趣向)
演じるのは主宰の佐々木蔵之介さん、市川亀治郎さん、佐藤隆太さんの3人+日替わりゲストが一人。
今日のゲストは仲村トオルさんだった。
(ちなみに他の日替わりゲストも全員男性。)

舞台が明るくなると舞台上に設えた高座のようなところに座っている4人。
他には何も舞台装置のようなものはなく、4人の服も白いシャツに黒いパンツというシンプルなもの。
(高座に座布団が敷いてあったので「テキストが時代小説だし和服で正座なのかな」と思ったら、洋服で腰掛けただけだった。ちょっとガッカリw)

それぞれ作品ごとに配役が決まっていてそれをテキストに沿って読んでいく。
ただ読むだけでなく、セリフの部分はきちんとその役として演技している。
先日原作を読んだときはスルッと読み流してしまった部分でも、人の口(しかもプロの役者さん)を通して聞くと全然違った景色が見えてくるようだった。

3つの作品の中では原作を読んだ時も一番好きだった「神無月」がやっぱり一番よかった。
病弱な娘のために年に一度だけ盗みを働く男(蔵之介さん)の独白部分が胸に迫ったし、ラストの岡っ引きと盗人がそれぞれの思いを抱えながら真っ暗な夜道を歩いて行くシーンも印象的だった。
思わず泣いてしまった(T_T)

役者さんの中ではゲストの仲村さんの声が一番よかった(好みだった)かも。低いけど響いて落ち着いていてとても聞きやすかった。
特に「神無月」での居酒屋のおやじの役がとてもよかった。
あと最後に立って挨拶したときのスタイルの良さ(特に足の細さと長さ)に感動した!

佐藤さんは風邪を引いているのか体調が今ひとつだったようで残念。
声はしっかり出ているし口舌がはっきりしていて聞きやすかったけど、ちょっと噛むことが多かったような。
あと読み方がストレートすぎるのでセリフよりも地の文を読んでいるときのほうがよかったな。

佐々木さんは途中で本人もちょっと涙ぐんでいる感じだったのが印象的。
「神無月」での抑えた語り口がとてもよかった。声もいい。

亀治郎さんはさすが歌舞伎の人だけあっていろんな声が出せるんだなーと思った。
(でも娘役ではちょっと笑ってしまった(^.^;)
特に地の文を読むときのちょっと落語家さんのような話し方が印象的だった。
ただ、だからこそ逆に普通の声での朗読も聞いてみたかったな。

作品のタイトルは原作を読んだばかりだしリーフレットに書いてあったので分かったけど、作品と作品の間の暗転でタイトルをスライドで映すとかして欲しかったな。
そのほうが観客も気持ちの切り替えが出来てよかったんじゃないかと思うけど。

ところで昨日のゲストは大杉漣さんだったとか。それも見たかった!

上演時間:1時間45分(休憩なし) / 3月7日まで。
朗読劇『幻色江戸ごよみ』

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2011/11/06

日帰り旅行 in 仙台

昨日、友人と2人日帰りで仙台に行って来ました。

目的は現在宮城県美術館で開催中のこれ↓
フェルメールからのラブレター展

東京でも12月末から開催予定ですが、東京の美術館の混雑ぶりを考えるといくらフェルメールとはいえ地方巡回中のほうがまだ多少は楽に見られるだろうということと、格安の新幹線往復プラン(多分コレ→「仙台日帰りプラン」)があったので「じゃあ、行ってみようか」ということに。

友人の都合で夜7時には東京に戻りたいとのことで出発は大宮駅朝7時発。
5時前に起きてなんとか遅刻せずにMAXやまびこに乗り込み一路仙台へ。
着いたとき(朝9時)は曇っていたせいもありさすがにちょっと肌寒かった仙台ですが、しばらくすると陽射しが出て気温もかなり上昇。
寒いかと思ってショートコートを着てきたほか防寒グッズもあれこれ(ストールとか手袋とかスカーフとか)も念のため持ってきていたのですが、コートを手に持っているのも煩わしいというくらいの暖かさでした。

仙台駅からは観光地を巡って走るバス「るーぷる仙台」に乗り込み美術館へ。
所要時間としては普通の市バスを利用したほうがずっと早い(市バス:約10分、るーぷる:約40分)のですが、るーぷるは美術館に行くまでに青葉山のあたりをぐるっと回ってくれて周囲の建物や地理の説明もしてくれるのでちょっと観光バスに乗った気分になれました。

10時ちょっと前に美術館到着。
館内は思っていたより混雑していましたが、東京での「入るまでに長蛇の列」状態を考えればかなりらくらくでした。
今回の美術展で公開されるフェルメールの作品は、ワシントン・ナショナル・ギャラリー所蔵「手紙を書く女」、アムステルダム国立美術館所蔵「手紙を読む青衣の女」、アイルランド・ナショナル・ギャラリー所蔵 「手紙を書く女と召使い」の3点。
この3点をメインに「コミュニケーション」というキーワードで集められたオランダを代表する画家たちによる作品が全部で43点展示されていました。
全体的にゆったりとした展示でとても見やすかったのですが、特にフェルメールは1つの部屋にこの3点のみが展示してあるという贅沢さ。
一つ一つの作品をじっくりゆっくり堪能することができました。
「手紙を読む青衣の女」はアムステルダム国立美術館での修復後、世界初の展示会とのこと。
修復前との比較写真の展示もあり、その違いの鮮やかさに驚きました。

美術館を出たあとはツアー料金に含まれている牛タン定食を食べるために再びるーぷる仙台に乗って駅に近い広瀬通りまで。
通りを少し歩いて「伊達の牛たん」広瀬通り店さんへ。
sendai-01格安ツアーに付いてくる食事なのでもっとこじんまりしたお店なのかと思ったら、広くてきれいなお店でビックリ。
出てきた定食もボリュームがあってお肉も柔らかくて美味しかったです。
ただ、味噌味のタレは私にはちょっと味が濃かったかな…。
ご飯が足りなくなりました^^;
テールスープはとても美味しかったです。

ここで時間は午後1時を少し回ったところ。
予定よりもちょっと時間が過ぎていたので、ここからはタクシーを使って伊達政宗公の霊屋である瑞鳳殿へ。
最初に乗ったるーぷるで前を通ったときはかなり急勾配の坂道を登らないといけないようでちょっと心配していたのですが、タクシーではその上まで連れて行ってくれたのでホッとしましたw
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その坂道を少し行くと今度は緩やかな石段の参道が続きます。
両側の木々が心地良い日陰を作ってくれるので夏でも気持ちよさそうな道でした。
ここをのぼりきると瑞鳳殿が見えてきます。

 

 

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  手水口も龍!造形がシャープで素敵♪
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桃山様式の華やかな霊屋  
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  気温が高いせいか紅葉は今ひとつといった感じでした。

政宗公の霊屋である瑞鳳殿、二代目藩主忠宗公の霊屋感仙殿、三代目藩主綱宗公の霊屋善応殿を中心に伊達家の墓が点在しています。
3つの霊屋はいずれも極彩色の装飾と漆黒の屋根や柱のコントラストが鮮やかでとても綺麗でした。
私たちは全部は回らなかったのですが、そんなに広くはないので全部回っても45分~1時間くらいかなと思います。

少し時間に余裕が出来たので、参道を下ったところにあるお茶屋さん(「おたま茶屋」)で休憩。
ずんだ餅とお抹茶のセットと、「おくずかけ」という宮城県の郷土料理をいただきました。

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枝豆の食感が美味しいずんだ餅。 上に載っている丸いのは豆麸。野菜たっぷりのあんの下にはうーめんも入っていてボリュームがあります。

ずんだ餅は上にかかったずんだあんが枝豆のつぶつぶが残った状態で、ほのかな甘さで枝豆の味が濃くて美味しかったです。
おくずかけは大根、人参、いんげん、里芋、しいたけなどの野菜と豆麸で作った醤油味のあんをうーめんにかけてあるお料理でした。
初めて食べましたが、これも美味しかった!
牛タン定食が効いていてあまりお腹が空いていなかったのがもったいないくらいでした。

このあと市バスで駅に戻り駅ビル内の売店でおみやげを買って帰路につきました。

早起きが苦手なので「朝4時おきで日帰り旅行なんて絶対無理!」と思っていましたが、やれば出来るものですねw
確かにちょっと強行軍だったし、下調べが甘かったので無駄な時間が掛かって駆け足になったりした部分もありましたがけっこう楽しくすごすことができました。
先日行った山梨県立美術館に続いて今回で2回目の「展覧会を見る小旅行」、なかなか楽しいので今後もぼちぼち続けていきたいなと思ってます。
来年中にせめて関東圏内は制覇したいな♪
※しかし遠くに行くにはやはり交通費がネック…今回のように安いツアーがないとツライ(ーー;)

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2011/08/28

舞台:キャラメルボックス『降りそそぐ百万粒の雨さえも』

久しぶりのキャラメルボックス。
前回が'09年の『容疑者X~』だったので2年ぶり。
前回同様、今回も直前になって急に思い立っての観劇。

『降りそそぐ百万粒の雨さえも』30秒CM

今回の演目は'96年初演('01年再演)の『風を継ぐ者』の続編とのこと。
『風を~』は初演時に「見た」記憶はあるものの、なにしろ15年も前なのでストーリーなど詳しい内容は定かではなく…^^;
でも、特にそれが判らなくても問題はなかった。(そりゃそうですね)

で、感想は…残念ながら今ひとつ入って行けず…。
物語自体はキャラメルらしいし、泣けちゃうシーンもたくさんあったんだけど、なんかこう「もっと来るだろう」「こんなものじゃないだろう」と期待して待っていたけどそこまで行かずに終わってしまった…という感じで。

『容疑者X~』のときも同じような感想を書いているので、これはもうキャラメル側ではなくやっぱり私の問題なんだろうなあ…orz
思うに、昔のMAX感動したときのイメージだけが残っていてそこまで行かないと「面白かった」と思えなくなっているのではないかと。
ちなみに私にとってのMAX感動は「カレッジ・オブ・ザ・ウインド」の初演。
この作品は呼吸困難になるかと思うくらい泣けました^^;
これは'92年(19年前!)の作品らしい。
ということは、もしかしたら私が年を取ったため感受性が鈍くなっただけなのかも…(;_:)

ただ、昭島が新選組を裏切る際のきっかけというか根拠がどうも希薄だったような気がしてならない。
近藤が投降するときに変名を使ったことを「卑怯」と感じるのは理解できるにしても、だからといって確証もないまま「竜馬を殺した犯人は土方だ」と敵方に知らせるというのは納得できない。
しかも付き合いが浅い他の隊士たちだけでなく、幼なじみの迅助にまで嘘をついてそういうことをするって全然昭島のイメージじゃないんだけど。(そのほうがよっぽど卑怯なのでは)
少なくとも、断片的でもいいから迷っている昭島にそう確信(ミスリード)させるだけの情報を与えるべきだったんじゃないかと思う。
でないと、昭島は思い込みだけで行動するただのおバカさんになってしまうような気がする。
昭島が自分の感情を殺してもどうしても裏切らなければならない、のっぴきならない状況を作ってやって欲しかった。

最後に役者さんの感想をちょっとだけ。
一番よかったのは、三鷹役の阿部丈二さん(どこかで聞いたことがある名前…笑)
もともと自由に動けるおいしい役なのだろうと思うけど、そこを生かしてのびのびと楽しそうに演じているので見ているこちらも気持ちよかった。
一番笑わせていただきました(^^)
あと、沖田役の畑中さんもよかったな。
性格設定としてはあんなに「新選組だけ」じゃなくてもう少し達観していて周囲にも気を配れる総司くんのが好きだけど、あの時点でのどうしようもない沖田の焦燥感をよく表現していたと思う。
シーンとしては敵に囲まれて絶体絶命の危機に陥った迅助の傍に現れて、闘いの手助けをする場面が好き。(生き霊状態だったけど^^;)
更に、カーテンコールでのご挨拶がグダグダだったのが妙に可愛かった。(役とのギャップが…w)
あと、沖田の姉のミツ役の坂口さんがいい感じで年を取っていたのが印象的だった。
知っている役者さんが少なくなっている中、昔から活躍している坂口さんが舞台をキリッと引き締めてくれているのを見るのは嬉しい。
これからも頑張って欲しい。

初演のことってあまり覚えてないと思っていたけど、見ているうちに迅助が今井さんで沖田が菅野さん、土方は上川さんが演じたことを思い出した。
土方はちょっと違うけど、迅助と沖田は初演の2人の雰囲気を上手く受け継いだ演技をしていたと思う。
そういえば初演組は3人とも劇団にはいないのね…。
上川さんの活躍は存じ上げているけど、その他のお2人はどこで何をされているのかな。

ちなみに来年5月の『容疑者X~』の再演に川原さんの出演が決まったことのこと!
絶対観る!

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2011/06/18

「森と芸術」展@東京都庭園美術館

久々に目黒の庭園美術館まで足を伸ばして開催中の「森と芸術-私たちの中にひそむ森の記憶をたどってみよう-」展を見てきた。

森や木、自然をテーマにした絵画や工芸品などの作品の数々。
緑がいっぱいの穏やかな雰囲気の作品ばかりで、庭園美術館自体の持つこじんまりとした寛ぎのある雰囲気にも合っていてとてもよかった。
特に古い絵本の挿絵を集めた「メルヘンと絵本の森」コーナーが秀逸。
繊細で美しく幻想的な絵に引き込まれて随分長い時間を掛けて見たうえに、全部回ったあともう一回戻って見てきたくらい。
どれも素敵だったけど、中でもカイ・ニールセンの「ヘンゼルとグレーテル」は素晴らしかった。
110618-13ショップに絵葉書があったので思わず購入。 左端が「ヘンゼルとグレーテル」。
2人が森の中のお菓子の家を見つけるシーン。
絡まり合う木の繊細な曲線と奥で輝くお菓子の家が美しい。


他にはアンリ・ルソー「エデンの園のエヴァ」、アンドレ・ボーシャン「楽園」、ヘンリー・ヒューズリの「シェイクスピア名場面版画集」、モーリス・ドニ「聖母月」、ポール・セルジェ「ブルターニュのアンヌ女公への礼賛」、ポール・ゴーギャン「愛の森の水車小屋の水浴」(よく見るゴーギャンの作品とイメージ違う!)あたりがよかった。

今日はお天気が今ひとつだったせいもあってか館内も庭園も人が少なくひっそりとした雰囲気。
おかげでゆったりじっくり見て回ることができて楽しかった。

7月3日(日)まで開催。

幻想の挿絵画家 カイ・ニールセン
幻想の挿絵画家 カイ・ニールセン

カイ・ ニールセンの画集。
ちょっと高いけど欲しいなあ…。



庭園で花の写真を撮ってきたのでまとめてアップ。

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    鉄仙
    バラ
    ブルースター
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    サルビア・ガラニチカ。青色のサルビア。蜜はやっぱり甘いのかな?
    アジサイ。
    大きくて花がたくさんついていて見事なアジサイだった。
    カシワバアジサイ。
    これもアジサイの仲間らしい。真っ白で房状の花が綺麗。
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    ガクアジサイ。花火みたい(^^)
    水分たっぷりの芝生の緑が綺麗だった。
    日本庭園のお茶室。
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    名前不明。花はノースポールに似てるけど、葉っぱが全然違う。
    ドクダミ。ドクダミは名前や臭いは残念だけど、花は可愛いよね。

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2009/12/06

覚え書き:「デビュー40周年記念 萩尾望都原画展」

先日西武・リブロに寄ったら、麗しいエドガーの告知ポスターが貼ってあって思わず釘付けになってしまいました。
(下記リンク先のトップにも掲載されています。)
「何か短編の表紙だったと思うんだけど、なんだっけ?」としばらく考えたけど、思い出せず。
帰ってきてネットで検索したら『ランプトンは語る』でした。そう言われてみれば!
もう随分と読んでいないのでこのへんの記憶がかなり曖昧です^^;
当時はあんなに夢中で読んだのに…。

そういう記憶を引き出すためにも絶対行こう!と思いつつ本を買うためにレジに行ったら、優待券(200円引き)を頂けました。ラッキー♪

12月16日(水)~23日(水)まで西武池袋本店 別館・西武ギャラリーにて。
萩尾望都原画展

この展覧会のあとに開催される『吉田拓郎展』(1月2日~11日)の招待券もレジで頂きました。
拓郎さんのことはTVで見るくらいしか存じ上げないのですが、せっかくなので時間があったら見に行ってみようかなと思います。

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